2026年2月5日、盛岡市菜園のヘラルボニー旗艦店「ISAI PARK」で、「分身ロボットカフェDAWN ver.β」キャラバンカフェ第7弾の先行体験会が行われました。

分身ロボットカフェDAWNは、難病や重度障がいなどにより外出が難しい方が、分身ロボット「OriHime」を遠隔操作して接客を担うカフェです。
分身ロボットを介して遠方にいる相手の存在が自然に伝わり、テクノロジーが就労や社会参加の形を広げる可能性を感じました。

体験会には、本学ソフトウェア情報学部の伊藤史人先生も参加しました。
伊藤先生は、福祉工学やヒューマンインタフェースを専門とし、視線入力装置や生活支援技術を用いて、重度障がいのある方の意思伝達や社会参加を支える研究に長年取り組んできました。
バリアフリーマップの開発など、情報技術を地域課題の解決につなげる実践的な研究も進めています。

「OriHime」の操作には、身体の動きに制約がある方でも使いやすいインターフェースが求められます。
伊藤先生が研究してきた視線入力インターフェースの考え方は、限られた入力手段でも意思を伝えられる環境づくりを目指すもので、分身ロボットを通じたコミュニケーションの基盤の一つとなっています。
研究で培われた知見が、実際のサービスの中で生かされていることがうかがえました。

当日は、初代「OriHime」パイロットである故・番田雄太さんのご母堂・幸子さんも参加されました。
生前、番田さんが岩手県立大学のボランティア学生と交流していたことを教えていただき、技術だけでなく、人と人との関係性の中でこの取組が育まれてきたことを感じました。
また、「OriHime」の開発者である吉藤オリィ氏と伊藤先生は、十数年来にわたり交流を重ねてきました。
バリアフリーマップの制作などを通じて、テクノロジーを社会課題の解決にどう生かすかという問題意識を共有してきたことも、今回の取組の背景にあります。

岩手県立大学では、専門分野の知見を地域課題と結び付け、社会の中で役立つ形へと発展させる教育研究を行っています。
伊藤先生の研究にみられるように、本学では分野の枠を越え、人の暮らしや生き方に寄り添うテクノロジーを考える実践的な学びが展開されています。
分身ロボット「OriHime」を通じた遠隔就労の取組は、福祉とテクノロジーの融合が新たな可能性を生み出すことを示しています。
岩手県立大学は今後も、分野横断的な教育と研究を通じて、社会課題の解決に貢献できる人材の育成を進めていきます。

今あるテクノロジーの活用により、重い障がいのある人々の可能性は拡張され、支援者の希望を生みます。研究室では、視線入力装置・生体情報センサー(心拍・脳波等)やゲーミフィケーション手法を活用して、重度障がいのある人々の人生を改善する研究をしています。
伊藤史人研究室 伊藤 史人 いとうふみひと :: 岩手県立大学 ソフトウェア情報学部
【関連情報】
難病や障害などで外出が困難な人たちが遠隔操作で接客 「分身ロボットカフェ」が盛岡市内のデパートで期間限定オープン(IBC岩手放送) - Yahoo!ニュース
(伊藤先生と支援学校の生徒さんたちが登場しています)
超低出生体重児444gで誕生 重い障がいがある14歳少年 目標が日々を輝かせる 岩手県盛岡市 (岩手めんこいテレビ) - Yahoo!ニュース
(伊藤先生の視線入力の取組が紹介されています)