国連アカデミック・インパクト活動報告書とは

国連アカデミック・インパクト(以下「UNAI」という。)の加盟大学は、UNAIの10の原則のうち、各年度に少なくとも1つの原則に係る活動を実施し、UNAI事務局に報告することとされています。
本学が参加する4原則
- 原則6:人々の国際市民としての意識を高める
- 原則8:貧困問題に取り組む
- 原則9:持続可能性を推進する
- 原則10:異文化間の対話や相互理解を促進し、不寛容を取り除く
2025年活動報告書の概要

UNAI活動報告書2025表紙
国連アカデミック・インパクト活動報告書2025の目次
日本語版(Japanese Version):「国連アカデミック・インパクト活動報告書2025」の概要・目次(PDF)
1.自然災害における女性支援の取り組み
~能登半島地震の女性支援ネットワークと協働した大船渡市大規模林野火災における女性支援活動~
- 元岩手県立大学看護学部教授 福島裕子
- 岩手県立大学看護学部 教授 アンガホッファ司寿子、
准教授 谷地和加子、金谷掌子、講師 佐藤恵
女性には災害時に特有の健康問題が起こる。我々は令和7年2月の大船渡市大規模林野火災で女性支援活動を行った。プライベートゾーンの清潔保持や月経不順、尿漏れへの対応策や性暴力被害予防のための留意点を伝えるチラシを作成し、ナプキンや清浄綿など女性の日用品を入れた女性専用支援グッズと一緒に被災地のNPOや避難所に届けた。そして万が一性暴力被害が起こった場合、速やかに緊急避妊ピルを届けて継続支援につなげるデリバリー体制も構築した。今回の活動は、東日本大震災や能登半島地震での女性支援活動の経験があったこと、そしてその活動でつながっていた女性支援ネットワークと協働したことで、災害発生時にスピーディーに実施することができたといえる。
「自然災害における女性支援の取り組み~能登半島地震の女性支援ネットワークと協働した大船渡市大規模林野火災における女性支援活動~」活動報告(PDF)
2.北いわて地域における県境を越える医療・介護連携の構築に関する諸問題の解明:久慈医療圏の医療DX推進と人的ネットワーク構築のための実証研究
- 研究代表者:岩手県立大学看護学部 教授 岡田みずほ
- 共同研究者:岩手県立大学看護学部 教授 工藤朋子・細川舞、
准教授 後藤未央子・遠藤良仁、総合政策学部 教授 新田義修、
石巻赤十字病院 看護師長 阿部洋子
久慈医療圏の病院、診療所、訪問看護ステーション、介護施設・事業所、地域包括支援センター等に勤務する看護職・介護職、ならびに関係職種を対象としてミニレクチャー(1.令和6年度のアンケート結果報告、2.久慈医療圏から域外への患者搬送の現状について、3.メルタスの活用について、4.事例検討)と座談会を開催した。参加者は72名であり、看護職、介護職、医師、歯科医師、薬剤師など多職種が参加した。座談会後のアンケートからは、課題解決に向けたICTリテラシー教育、共通の情報共有ツールの活用促進、顔の見える関係づくり、自治体や中核医療機関の関与強化が挙げられた。今後も座談会という場を活用した連携の重要性が指摘された。
「北いわて地域における県境を越える医療・介護連携の構築に関する諸問題の解明:久慈医療圏の医療DX推進と人的ネットワーク構築のための実証研究」活動報告(PDF)
3.ゲーミフィケーション×対面イベントによるバリアフリーマップシステム「WheeLog!」の開発と普及
- 岩手県立大学ソフトウェア情報学部 講師 伊藤史人
- 特定非営利活動法人ウィーログ
WheeLog!の中心的な活動は、スマートフォンアプリを用いたバリアフリー情報の共有である。利用者は、車いすで実際に通った道を「走行ログ」として地図上に記録できる。また、利用できた施設、飲食店、観光地、トイレ、駐車場などを「スポット」として投稿できる。さらに、その場で感じたことや注意点を「つぶやき」として共有することもできる。これにより、地図上には単なる場所の情報だけでなく、利用者の実感に基づいた生きた情報が蓄積されていく。
2026年5月時点でWheeLog!の総ダウンロード数は約20万、スポット投稿は68,339件、走行ログは16,077km、つぶやきは44,960件に達している。これらの数字は、多くの利用者が自分の経験を投稿し、全国各地のバリアフリー情報を少しずつ積み上げてきた成果である。
「ゲーミフィケーション×対面イベントによるバリアフリーマップシステム「WheeLog!」の開発と普及」活動報告(PDF)
4.満洲開拓の記憶を未来へ:慰霊碑と記憶の継承を学生たちと考える(盛岡短期大学部授業「地域社会論演習」)
- 岩手県立大学盛岡短期大学部 教授 三須田善暢
本活動では、まず学生が岩手県の満洲開拓と慰霊碑継承問題について理解を深めるため、シンポジウムや公開講座への参加、関連文献の読解、関係者への聞き取り調査などを実施した。その後、KJ法を実施し、慰霊塔継承の現状と課題、若い世代としてどのような関わりが可能かを検討した。議論の結果、「知ってもらう」「来てもらう」ことを重視した実践として、「星空観察会&満洲開拓小冊子説明会」を企画・開催した。また、並行して学生主体による小冊子の制作も行い、慰霊塔の歴史や満洲移民の概要、現在の課題などを整理して発信した。これらの活動を通じて、学生たちは地域史継承を自らの課題として考える契機を得た。
「満洲開拓の記憶を未来へ:慰霊碑と記憶の継承を学生たちと考える(盛岡短期大学部授業「地域社会論演習」)」活動報告(PDF)
5.2025復興防災学習プログラム
- 復興防災学習プログラム運営チーム
理事長 石堂淳、高等教育推進センター 江村健介、
総合政策学部 杉安和也、桑原尚子、伊藤徳子、
盛岡短期大学部 千葉啓子、吉原秋、Hamish Smith
2025年の復興防災学習プログラムは、8月8日から10日までの3日間、岩手県立野外活動センターを拠点に、オハイオ大学、本庄国際奨学財団及び岩手県立大学から96名が参加し、被災住民との交流や支援活動を行った。
初日は、参加3団体の代表者からの挨拶に続き、東日本大震災津波を契機とした飲料水配布活動(水ボラ)と、これまでの交流の経緯等について説明が行われた後、アイスブレイキングにより参加者相互の交流を図った。
2日目は、高田松原津波復興祈念公園において、3班に分かれて現地ガイドの解説を頂きながら東日本大震災津波伝承館、防潮堤(海を臨む場)、奇跡の一本松及び旧気仙中学校を見学した。
2日目午後は、県営栃ケ沢アパートを訪問し、㈱伊藤園から提供頂いた飲料水のペットボトルを全世帯に配布しながら声掛け活動(水ボラ)を行うとともに、本庄国際奨学財団提供の落語会を住民の皆さんと一緒に鑑賞した。
3日目は、2025年2月に発災した大船渡市大規模林野火災により被害を受けた大船渡市赤崎町外口地区の住家と、旧蛸の浦小学校仮設住宅を訪問して飲料水配布活動(水ボラ)を行い、今年度のプログラムを締めくくった。
6.国際交流推進室(グローバルセンター)の活動
- 国際交流推進室 室長 細越久美子(社会福祉学部教授)
- 副室長 桑原尚子(総合政策学部准教授)
- 室員教員 看護学部 教授 アンガホッファ司寿子、
ソフトウェア情報学部 准教授 南野謙一、盛岡短期大学部 准教授 熊本早苗、
宮古短期大学部 准教授 大前義幸、高等教育推進センター 准教授 江村健介、
国際交流専門員 森彩綾花、スタッフ 工藤真結子
国際交流推進室が運営するグローバルセンターの主な業務は、次の通りです。
➀研修・海外留学・国際交流に関する相談
➁外国人留学生・外国人研究者の教育・生活関連の相談
➂国際交流イベントの企画・運営
➃海外協定校との連絡・調整
また、定期的に留学生が出身国の文化や食生活等を紹介する多文化理解講座、多文化理解イベントの開催、留学生オリエンテーション・日本語支援、海外研修の紹介、外国人留学生との交流バスツアー(えさし藤原の郷、厳美渓)、ホームビジット(滝沢市国際交流協会と連携)を企画・運営しています。
ホームビジット終了後は、受入れ家庭と参加した外国人留学生を主な対象に報告会を開催し、外国人留学生が地域と交流を深める機会の充実に取り組んでいます。
「国際交流推進室(グローバルセンター)の活動」活動報告(PDF)