岩手県立大学広報誌県立大 ArchVol.76

Placeholder imageこのページは岩手県立大学広報誌県立大ArchのWeb版です。
広報誌県立大Archの掲載情報をもとに作成されています。

CampusTopics

[在学生×卒業生対談]

平成30年に、開学から20周年を迎えた岩手県立大学。これまで1万人を超える人材を輩出してきたが、学生側の目線から大学の未来はどのように映っているのだろう。節目の年を新たな起点として、さらに前へと踏み出す県立大学を、在学生と卒業生の4人に語り合ってもらった。

全国に先駆けて新たな試みに挑戦、主体的に活動できる環境がここにある

菊池 眞悠子 さん

[社会福祉学部・1年]
高校時代から高齢者の方と
高校生をつなぐ場づくりの活動に携わり、入学後はボランティアサークルKIPU*Laboで代表を務めているほか、風土熱人Rにも参加。防災に関わるプロジェクトにも挑戦したいと考えている。

高橋 孝典 さん

[平成13年度・ソフトウェア情報学部卒]
岩手県立大学の一期生として入学し、サークル設立や委員会活動など学生活動の基礎を築く。卒業後は岩手県職員として観光や国体、ILCなどの仕事に携わる傍ら、総合政策研究科などで社会人院生として学ぶ。平成19年より同窓会長を務めている。

Q 県立大学の魅力は?

菊池 私は高校時代から社会福祉士になりたいという夢がありました。生まれ育った岩手のことをしっかり学んだ上で、社会福祉を深めていくなら県立大学が一番だと思ったんです。
高橋 私は一期生なのですが、新しい大学ということもあり、学生も教員も志が高く、チャレンジ精神を持った人が多かったように思います。私が学んだソフトウェア情報学部も先駆けの学部でしたが、総合政策という学部も全国的に数少ない学部でした。大学全体が最先端の教育・研究をしていくんだ!という気概に満ちていましたね。
熊谷 私は総合政策学部で4年間学びました。うちの学部には、法律や経済といった社会・人文科学の分野と、環境や地域を学ぶ自然科学の分野があります。他の大学ならどちらかに特化した学部が多いのですが、県立大学の場合は幅広く学んでから、自分の興味のある学問を選択し、深く掘り下げていけるところがいいと思います。
浅井 現在、私は生活支援コーディネーターとして、地域の支え合いをつくるお手伝いをしていますが、今やろうとしていることって、実は大学時代に学生ボランティアセンターの仲間が実践していたんですよね。大学がある川前地区の人たちと学生が鍋を囲みながら交流したり、地域を学生がパトロールしたり。今の社会課題に、うちの大学はもう何年も前から先駆けて活動していたんです。
高橋 確かに学生ボランティアセンターの活動は画期的でした。こうした組織を立ち上げたのも、全国的に早かったですね。
浅井 学生と先生の関係がいいのも魅力の一つ。大学にはクラス担任がいないので不安でしたが、先生方はみんな親身になって相談に乗ってくれました。
熊谷 大学に入って人間関係も広がりました。私はサークルや委員会で活動したり、図書ボランティアもやっていたのですが、様々な経験ができただけでなく、活動を通して他学部の友人が多くできました。

もっと視野を広げてオープンに、学生の可能性を育てる大学へ

浅井 恵 さん

[平成23年度・社会福祉学部卒]
大学時代は福祉臨床学科の介護コースで学び、ボランティアサークルKIPU*Laboのメンバーとしても活躍。大学3年の時に震災が発生、同級生らと支援活動にも携わった。現在は、生活支援コーディネーターとして地域の支え合いづくりをサポートしている。

熊谷 祐太 さん

[総合政策学部・4年]
大学では中央委員会のメンバーとして、七夕祭や夢灯りなどの学内イベントの企画・運営に携わったほか、演劇サークル劇団ちゃねるに所属。他に図書ボランティア・ライブラリーアテンダントとしても活動。卒業後は盛岡市役所職員に。

Q これからの県立大学に望むことは?

菊池 私はまだ1年なので大学の未来については具体的にイメージできないのですが、学部間の壁が低くなればいいなと思っています。自分が学んでいることや関わっているプロジェクトで、他の学部の先生の話を聞きたいと思う時があります。でも、なかなか気軽に話を聞くことができない。もっとオープンに学部間を行き来できるようになったら、先生や学生同士のつながりも広がります。
熊谷 今の1年次には「いわて創造入門」という地域を学ぶ必修科目があるのですが、2年次以上にはありません。私は4年間を通じて、地域の現状や課題に対峙できる横断的な科目があれば、もっと地域に目を向ける学生が増えるのではないかと思います。地域を深く知り、地元の人や企業を知ることは、県内で働こうと考えるきっかけになりますから。
浅井 卒業生の立場から言うと、今の大学がどんなことをしているのか、情報を得る機会が少ないですし、大学の力を借りたい時も、誰に相談すればいいのかがわからない。それがわかれば、私たちが大学にサポートできることも増えると思いますし、大学と協力して様々な仕事をすることができるはずです。卒業生と大学をつなぐ仕組みをしっかり作れば、これまでとは違う可能性が広がるのではないでしょうか。
高橋 私がこれからの大学に望むのは、人材育成の一点に尽きます。地元の未来を担う人材を育てるのはもちろんですが、地元に縛られ過ぎては視野が狭くなる。地域の枠を超えて、世界で活躍できるような人材を育てることこそが大事だと思います。今、私の周りでも県外に就職して、それぞれのフィールドで活躍した人たちが岩手に戻り、起業しているケースが少なくありません。外で培った多くの経験や人脈を、岩手のために生かしてくれるわけですからこれほど頼もしいことはない。グローバルな視点で物事を考え、世界に羽ばたける人材を育てていくことが大事だと思います。