岩手県立大学広報誌県立大 ArchVol.76

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地域フィールド

未来に向かって、新たなアクションを起こす学生がいます。地域の先を見据え、活躍している卒業生がいます。
彼らが何を思い、どんな活動をしているのか。それぞれの扉を開けてみましょう。


宮古短期大学部2年 安倍 千晶
1998年生まれ、宮城県石巻市出身。岩手県立金ケ崎高校卒業後、宮古短期大学部に進学。
寮生活を送りながら、勉強、サークル活動、アルバイトとアクティブに活動。
平成31年春からは県内の大学に編入。好きな食べ物は盛岡冷麺。

県政懇談会で岩手の未来について意見を述べる安倍さん。

 小学生のとき、東日本大震災津波を経験。復興や地域創生を「被災したまちで学べる」ところに魅力を感じ、進学を決めました。
 第10代委員長を務めた「岩手県立大学宮古短期大学部学生赤十字奉仕団」では、学外での活動も多く、宮古のNPO職員や同世代の漁師さん、全国からやってくるボランティアサークルの学生など、いろんな人たちと交流し、視野がぐんと広がりました。
 2年次の夏には、宮古短大の学生と、達増岩手県知事との県政懇談会に参加。宮古・岩手の未来について意見を交わし、他の学生の地域への思いも知ることができました。また、授業を通じて「地域と経済のつながり」に関心を持ち、より深く学ぶために大学編入を決意。その夢を実現できたのは、先生方の親身な指導のおかげです。
 震災を乗り越え、立ち上がろうとしている宮古のまち。ここだから学び、出会い、経験できたことがたくさんあります。充実の2年間を糧に、これから始まる大学生活も、実りあるものにしたいと思っています。


岩手県盛岡広域振興局
保健福祉環境部保護課畑 俊輔
1993年生まれ、岩手県普代村出身。岩手県立久慈東高校、岩手県立大学社会福祉学部を卒業後、岩手県職員に。
大学時代、陸上部だった経歴を買われ、昨年は職場の上司に誘われてマラソンに初挑戦。
休日は友人とフットサルを楽しむことも。

「少しでも相談者の力になりたい」と
親身になって話を聞く畑さん。

 祖父母と暮らした経験から高齢者福祉に興味を持ち、岩手県立大学社会福祉学部に進学。福祉の政策や制度など、社会的な支援の枠組みについて学ぶうち、福祉行政に関心を抱くようになりました。直接的な支援も大切ですが、一歩引いた立ち位置から福祉全体をより良くする行政の仕事に関わりたいと思うようになったんです。
 現在は、盛岡広域振興局で生活保護を担当。直接、生活に困っている方のもとへ出向き、必要な保護費の見立てや、就労支援など自立に向けたサポートを行っています。難しいのは、自分の考えを対象者が理解できるように伝えること。法律上の規制や制度にしても、支援の方向性を伝えるにしても、人によって理解力に差があります。一人ひとりに合った説明を工夫するのはもちろん、少しでも生活が良い方向に変わっていくように心して取り組んでいます。
 県職員は、様々な職場で多くの経験ができることが魅力。私もいろいろな現場で自分を磨き、支援の質を高めていけるよう努力していきたいと思っています。