- 自己収入の増加と効率的な大学運営
- 岩手県立大学の財務状況
- 学生および教員一人あたりにかかる経費(平成24年度)
- 平成24年度の収支状況〈収入〉
- 平成24年度の収支状況〈支出〉
- 過去5年間の収支
- Pick UP コラム 教育力強化枠予算について
平成24年度は競争的資金獲得や受託研究等に関する支援体制を充実させ、自己収入の増加に努めました。科学研究費補助金に係る学内説明会や審査員経験者による講話、研究成果集の作成や発表などに取り組み、外部資金研究は件数・資金とも前年より増加しています。
さらに安定的な収入確保のため授業料の未納解消に努め、未納率は平成24年度分で0.04%となっています。
このほか、効果的・効率的な大学運営のため、教員定数管理計画の遂行や学内情報システムの効率化など引き続き経費節減の努力を行う一方で、教育の質の向上に資するため、新たに「教育力強化枠」を設け事業を推進しました。
※1 資産見返負債とは、法人が固定資産を継承・取得した場合に、当該資産の見返りとして同額を負債に計上し、減価償却処理により費用が発生する都度、取崩して収益化する、減価償却による損益計算への影響を与えないための公立大学法人特有の処理です。(注)端数処理を行っているため、合計値が合わない場合があります。
平成24年度の大学教育および研究等における経費は、岩手県立大学全体で41億6817万円でした。教育経費と教育研究支援経費、教員人件費の一部を含めた、学生一人あたりの教育経費は約89万円です。また、教員一人あたりの研究経費は約236万円です。
●大学教育および研究等にかかる経費
●学生一人あたりの教育経費
●教員一人あたりの研究経費
岩手県立大学における収入の66.8%は、岩手県からの運営費交付金です。授業料、入学金および検定料、産学連携等研究収益等から資産見返負債戻入を除いた、自主財源の割合は30.3%です。
項 目 | 金 額(千円) | 割 合(%) | 備 考 |
---|---|---|---|
運営費交付金 | 3,804,774 | 66.8 | 県から運営費として 交付されたもの |
授業料 | 1,211,250 | 21.3 | 大学独自の収入(自主財源) |
入学金及び検定料 | 227,608 | 4.0 | |
産学連携等研究収益 | 111,167 | 2.0 | 企業や団体から委託された 研究および事業における収入 |
補助金等 | 52,228 | 0.9 | 大学改革推進等補助金、 寄付金等 |
寄付金 | 13,795 | 0.2 | |
資産見返負債戻入 | 166,698 | 2.9 | |
その他 | 106,946 | 1.9 | |
合計(A) | 5,694,466 |
※資産見返負債戻入とは、資産見返負債から資産減価償却額の見合いを収益化したものです。
支出のうち、教育および研究等に係る経費はおよそ31.8%です。
項 目 | 金 額(千円) | 割 合(%) | 備 考 |
---|---|---|---|
教育費 | 982,891 | 18.3 | 大学教育および 研究等に係る経費 |
研究費 | 546,351 | 10.2 | |
教育研究支援費 | 175,403 | 3.3 | |
産学連携等研究費 | 108,453 | 2.0 | 企業や団体から委託された 研究および事業に係る経費 |
役員人件費 | 9,207 | 0.2 | 役員、教員、非常勤講師 および事務局等の職員人件費 |
教員人件費 | 2,463,526 | 45.8 | |
職員人件費 | 631,938 | 11.7 | |
一般管理費 | 459,733 | 8.5 | 光熱水費、修繕費、消耗品費等 |
合計(B) | 5,377,502 |
平成24年度収支(A-B)316,964千円
収入については、約7割が県から交付される運営費交付金であり、算定ルール(毎年0.7%ずつ減額)により今後も削減の傾向にありますが、平成24年度は東日本大震災の被災学生の授業料等減免に係る追加交付を受けております。
支出については、定年退職者の減による人件費の減、学内情報システムのコスト削減による教育研究費の減等により、平成24年度は支出全体で前年度比約1億3,744万円の減となっています。
Pick UP コラム 教育力強化枠予算について
岩手県立大学では、18歳人口の減少、大学間競争の激化等の環境変化に的確に対応するため、教育の質の一層の向上を図る必要があることから、「教育力強化枠」予算を別枠で確保して本学の「教育力の強化」に積極的に取り組んでおります。
この「教育力強化枠」予算は、平成24年度に新設したものであり、目的積立金を財源としています。対象となる事業は、本体(教育の質保証)、入口(志願者確保)、出口(就職支援)を構成する事業で、体系的で一貫性のある教育プログラムの実践や教育研究に意欲的な教職員の育成なども含まれます。
平成24年度は、22事業、総額8,334万円を予算措置しました。
本部事業としては、FD活動の活性化に向けた授業評価データの早期処理や、入学志願者確保のための入試相談会・説明会の開催、学生の就職支援としてSPI模試等を実施しました。
学部事業としては、看護学部において実践能力を有する看護職の育成のためにシミュレーション教育システムの導入を行ったほか、ソフトウェア情報学部では、入学志願者の確保対策として小中学生向けの漫画パンフレットの作成などを実施しており、各学部とも創意工夫し、あらゆる面から教育力の強化に取り組んだところです。
「教育力強化枠」予算は、平成25年度においても総額8,707万円を26事業に措置しており、引き続き全学を挙げて教育力の強化に取り組むこととしています。