- 外部研究資金の拡大と大学運営のスリム化を図る
- 岩手県立大学の財務状況
- 学生および教員一人あたりにかかる経費(平成23年度)
- 平成23年度の収支状況〈収入〉
- 平成23年度の収支状況〈支出〉
- 過去5年間の収支
- Pick UP コラム 平成23年度事業実績における、「主なA評価項目」全16項目
平成23年度は法人化第二期の初年度にあたり、学部研究資金その他の自己収入の増加、予算の適正かつ効率的な執行等に向け、具体的な取組みを進めました。
外部競争的資金の申請促進のため、学内説明会の開催や各学部の研究教育活動を総合的に把握するデータベースの導入準備を進めています。大学運営経費の適切な執行についても徹底を図り、施設管理委託業務の厳選化により前年比約10%の節減を行いました。
平成23年3月に発生した東日本大震災津波被害への被災地支援等には国の補助金を活用しながら、ボランティア活動等に積極的に取り組んでいます。
※1 資産見返負債とは、法人が固定資産を継承・取得した場合に、当該資産の見返りとして同額を負債に計上し、減価償却処理により費用が発生する都度、取崩して収益化する、減価償却による損益計算への影響を与えないための公立大学法人特有の処理です。
平成23年度の大学教育および研究等における経費は、岩手県立大学全体で44億2457万円でした。教育経費と教育研究支援経費、教員人件費の一部を含めた、学生一人あたりの教育経費は約97万円です。また、教員一人あたりの研究経費は約254万円です。
●大学教育および研究等にかかる経費
●学生一人あたりの教育経費
●教員一人あたりの研究経費
岩手県立大学における収入の66.8%は、岩手県からの運営費交付金です。授業料、入学金および検定料、産学連携等研究収益等から資産見返戻入を除いた、自主財源の割合は30.3%です。
項 目 | 金 額(千円) | 割 合(%) | 備 考 |
---|---|---|---|
運営費交付金 | 3,887,317 | 66.8 | 県から運営費として 交付されたもの |
授業料 | 1,181,081 | 20.3 | 大学独自の収入(自主財源) |
入学金及び検定料 | 232,649 | 4.0 | |
産学連携等研究収益 | 110,655 | 1.9 | 企業や団体から委託された 研究および事業における収入 |
補助金等 | 112,519 | 1.9 | 大学改革推進等補助金、 寄付金等 |
寄付金 | 16,300 | 0.3 | |
資産見返負債戻入 | 166,258 | 2.9 | |
その他 | 110,767 | 1.9 | |
合計(A) | 5,817,545 |
※資産見返負債戻入とは、資産見返負債から資産減価償却額の見合いを収益化したものです。
支出のうち、教育および研究等に係る経費はおよそ34%です。
項 目 | 金 額(千円) | 割 合(%) | 備 考 |
---|---|---|---|
教育費 | 1,131,747 | 20.5 | 大学教育および 研究等に係る経費 |
研究費 | 590,996 | 10.7 | |
教育研究支援費 | 138,863 | 2.5 | |
産学連携等研究費 | 109,371 | 2.0 | 企業や団体から委託された 研究および事業に係る経費 |
役員人件費 | 8,842 | 0.2 | 役員、教員、非常勤講師 および事務局等の職員人件費 |
教員人件費 | 2,562,966 | 46.5 | |
職員人件費 | 607,329 | 11.0 | |
一般管理費 | 364,830 | 6.6 | 光熱水費、修繕費、消耗品費等 |
合計(B) | 5,514,945 |
平成23年度収支(A-B)302,600千円
運営経費の約7割が県からの運営費交付金によってまかなわれていますが、運営費交付金の算定ルールにより今後も削減の傾向にあります。その一方で、平成23年度は、補助金収益や受託研究収益などが増えたため、収入全体で前年度比84,306千円の増額となりました。
支出については、県に準じて行った給与の特例減額が平成22年度に終了したことによる給与の増加などにより、人件費が増となっています。また、東日本大震災津波の被災学生の入学料及び授業料を減免するための教育研究費の増等により、支出全体で前年度費301,254千円の増となっています。
Pick UP コラム 平成23年度事業実績における、「主なA評価項目」全16項目
岩手県立大学では各年度の事業計画に関連する事業実績の自己点検・評価を行っています。平成23年度は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波への震災対応による実績も含めて、計16項目を主なA評価項目(特記事項)としました。
大学の教育や学生への支援に関しては、学生による大学広報の取組みを導入した①高大連携の推進、学生の学習意欲の向上を目指した②新成績評価制度の導入、地域を担う中核的人材育成や教養教育の充実を図った③いわて高等教育コンソーシアムとの連携、いわて学の充実、東日本大震災津波に係る被災学生への経済的支援等の④修学困難な学生、特別な支援を必要とする学生の支援、全国からの学生が集まった「いわてGINGA-NET」のボランティア活動の円滑な実施を支援した⑤学生の活動支援、⑥就職先の開拓、県内企業の掘り起こし、公務員対策等の就職支援が挙げられます。
また、研究に関しては、東日本大震災津波の復興支援研究に重点を置いた⑦専門領域を活かした研究・地域課題に対応した研究の推進、公開講座やフォーラムの開催等による⑧研究成果の公表、⑨「いわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンター」の設置と共同研究や高度技術者育成の推進、各学部の専門知識や人的資源を活用した⑩地域課題の解決に向けた取組みの強化、震災復興研究を重点課題として設定した⑪「地域政策研究センター」の設置と地域課題の解決に向けた取組みの推進が挙げられます。
このほか業務運営に関しては、平成24年度からの本格実施に結びつけた⑫教員業績評価制度の実施、⑬適正な人事管理と予算の執行、⑭自己点検・評価の改革・改善とPDCAサイクルの学内の定着、統一したイメージによる広報媒体の作成、広報研修の実施等の⑮効果的な情報発信と広報活動の充実、岩手県立大学節電行動計画策定等による⑯全学的な省エネルギーの推進が挙げられます。