岩手県立大学では、地域連携本部を中心に「地域の活力創出に貢献する大学」を実現するための取組みを進めています。
平成23年度は東日本大震災津波からの復興研究を重点的に推進、地域政策研究センターの「震災復興研究」についてはホームページやパンフレット作成による周知徹底を図りつつ、平成24年度も引き続き研究を継続しています。
平成22年度に採択された「公募型地域課題研究」36課題については平成23年度も引き続き実施しました。また平成24年度には、研究成果の検証や制度の改善を行い、新たに「地域協働研究(教員提案型、地域提案型)」を創設しました。
このほか、学術研究費の配分条件として研究成果の公表義務化に取組む等、今後もより一層地域のニーズに応え、地域に頼られる大学としての地域貢献活動を進めていきます。
平成23年度は「共同研究」「受託研究」「奨学寄付金」の合計で、前年よりも金額、件数ともに増加しています。平成23年度は科学研究費助成事業(以下「科研費」)への応募促進のため「若手ステップアップ研究費」を創設しました。この結果、交付者26名全員が科研費への応募を行い、応募件数比で前年より8.8%の増加となりました。特にソフトウェア情報学研究科の大学院生がJSTより3,000万円の外部資金を獲得し、RA(リサーチアシスタント)制度を活用するなど、若手研究者の研究意欲向上への取組みが実を結んでいます。
また、研究成果を県民に向け還元する取組みとして、滝沢キャンパスや盛岡駅西口の「いわて県民情報交流センター」アイーナキャンパスを中心に、31の公開講座を開講、2,655人が参加しました。このほか、各学部主催の公開講座、フォーラムにおいても東日本大震災津波復興支援活動や研究の報告を行っています。
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平成24年度いわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンター(i-MOS)の研究課題は以下の15件に決定しました。
No. | 提案者 | 提案テーマ | 担当学部 |
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1 | 澤本 潤 | ブレインコンピュータインタフェース(BCI)におけるパーソナル軽量化の研究 | ソフトウェア情報学部 |
2 | 橋本 浩二 | 大規模災害時における大型高精細可視化装置を活用した総合災害管理支援システムの研究開発 | ソフトウェア情報学部 |
3 | 土井 章男 | 骨折用カスタムフィットプレート設計の最適化に関する研究 | ソフトウェア情報学部 |
4 | 阿部 昭博 | 周遊行動データの分析可視化に基づく地域ツーリズム統合支援システムの研究 | ソフトウェア情報学部 |
5 | 猪股 俊光 | 車載ソフトウェアの品質向上のための自動検査システムの開発 | ソフトウェア情報学部 |
6 | 伊藤 憲三 | 自動車の運転支援を目的とした骨導受聴システムに関する研究 | ソフトウェア情報学部 |
7 | 佐々木 淳 | 訪問型在宅医療を支援するリアルタイム情報共有システムの研究 | ソフトウェア情報学部 |
8 | 佐藤 裕幸 | 並列分散処理による衛星画像データ処理の高速化 | ソフトウェア情報学部 |
9 | 山田 幸恵 | 音の方向感を強調する補聴システムの開発 | 社会福祉学部 |
10 | 小川 晃子 | 仮設住宅におけるセンサーを活用した見守りシステムの研究 | 社会福祉学部 |
11 | 新井 義和 | 低サンプリングレート画像による運転操作支援インタフェース | ソフトウェア情報学部 |
12 | 佐野 嘉彦 | 沿岸被災地における仮設住宅住環境の改善に関する研究 | 総合政策学部 |
13 | 蔡 大維 | 低消費電力の高速無線通信方式及び組込みシステム実装技術の研究開発 | ソフトウェア情報学部 |
14 | バサビ チャクラボルティ | 誤り関連電位を用いたP300 BCI speller の実用性向上研究 | ソフトウェア情報学部 |
15 | ゴウタム チャクラボルティ | 視線計測を利用した障害者向け文字入力システムの開発 | ソフトウェア情報学部 |
平成24年度地域政策研究センターにおける、地域協働研究の研究課題は「震災復興研究」8課題、「一般課題研究」1課題に決定しました。「震災復興研究」は、昨年度採択の15課題と合わせて、暮らし分野5課題、産業経済分野7課題、社会・生活基盤分野11課題により被災地の復興を支援していきます。
研究区分 | 研究分野 | 研究代表者 | 研究課題名 | 所属学部 |
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震災復興研究 | 暮らし分野 | 小川 晃子 | 「見守り」を核とするICTを活用した医療・福祉連携策の検討 | 社会福祉学部 |
産業経済分野 | 蔡 大維 | 『語り部くん』携帯端末による観光客行動自動集計及び地域経済振興の研究 | ソフトウェア情報学部 | |
社会・生活基盤分野 | 中谷 敬明 | 東日本大震災被災地域住民のこころの健康に関する研究 -釜石市健康調査の分析による被災後の市民の精神的健康の実態把握- |
社会福祉学部 | |
社会・生活基盤分野 | 西出 順郎 | 若者の支援を通じた社会起業家育成機会の創造とシステム構築 | 総合政策学部 | |
社会・生活基盤分野 | 三浦 まゆみ | 健康支援の専門家である県内看護師がつくる被災地住民の居場所づくりに関する実践研究 | 看護学部 | |
社会・生活基盤分野 | 高嶋 裕一 | 岩手県の震災復興状況に関する長期モニタリング調査と質的情報の解析手法の開発 | 総合政策学部 | |
社会・生活基盤分野 | 村山 優子 | 津波の記憶を忘れないためのWeb上の津波資料館の構築 | ソフトウェア情報学部 | |
社会・生活基盤分野 | バサビ・ チャクラボルティ |
ソーシャルメディアを対象とした大震災に関する被災女性ニーズ抽出の研究 | ソフトウェア情報学部 | |
一般課題研究 | 環境・資源・生活科学 | 千葉 啓子 | 北上産黒大豆「黒千石」の栄養機能性と加工食品への応用に関する研究 | 盛岡短期大学部 |