平成22年度事業実績

法人化第一期の総括的な取組みを推進

 平成22年度は県立大学が公立大学法人となって一期目の中期目標期間である6年間の最終年度にあたり、中期目標の達成に向けた着実な取組みを推進しました。平成22年度計画の重点計画に沿い次項①〜⑤の取組みを推進したほか、全体評価に規定された教育研究・地域貢献等における学部ごとの特色ある取組みが実施されました。

平成22年度のおもな事業実績

① 教育力の一層の向上

修学指導方法の充実

「授業支援システム」及び「学生カルテシステム」の運用を開始し、指導担当教員間における学習指導や進路指導等に関する情報共有化を図りました。また、県内5大学共通授業「いわて学」を開講実施、履修アンケート結果で高い授業満足度を達成しました。

授業評価を含む組織的・体系的なFD活動

全学FD研修会を2回実施、学生がパネリストとして参加するなどの独自の手法で実施したほか、いわて高等教育コンソーシアムFD合宿に参加しました。

教養教育のあり方についての検討

基盤教育の強化推進等のため「高等教育企画センター」(仮称)基本構想検討委員会を設置しました。

国際交流の推進

留学生向けの正規日本語教育科目を開講、前後期各5名が受講。また、海外派遣プログラムにおいて、韓国語・韓国文化コースに大幅増加となる13名が参加、中国語・中国文化コースとともに大学祭にて報告会等を行いました。既存コースの拡大のほか、英語コースの新設に向け、情報収集を開始しました。

大学院の定員の適正化の検討

大学院の定員確保に向け、入試制度の実施時期等の変更を決定しました。

公開講座の様子

盛岡市まちづくり研究所の優秀賞受賞報告会

② 地域の課題に向き合った研究活動

JST産学官共同研究拠点の整備

「いわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンター(i-MOS)」の平成23年度設置を決定、高度開発型ものづくり産業集積の形成のための研究方針を決定しました。また、組込み技術振興に関して連携会議等を開催したほか、東北組込み産業クラスタへ本学教授をコーディネーターとして派遣等を行いました。

県民のためのシンクタンク機能の強化

公募型地域課題研究は37件を採択、共同研究を実施しました。また、平成23年度からの「地域政策研究センター」の設置を決定、県民生活の課題解決などにつながる研究推進の方針を決定しました。滝沢村IPUイノベーションパーク運営協議会を設置、連携推進研究として10件を採択し、共同研究を推進しました。

科学研究費補助金等の外部資金獲得の推進

岩手県の「高度組込み技術者養成システム整備事業補助金」「ものづくり・ソフトウェア融合技術者養成事業補助金」各交付決定を受けました。JSTの社会技術研究開発事業の研究開発領域において「ICTを活用した生活支援型コミュニティづくり」が採択されました。

地域貢献活動の積極的な公表

「IPU地域連携フォーラム」の開催および報告書の配布を行ったほか、公共政策フォーラムを開催しました。 盛岡市まちづくり研究所の平成20〜21年度調査研究が都市調査研究GPで「優秀賞」を受賞しました。また、学生により滝沢村「学連携活性化事業」への研究申請、プレゼンコンテストへの参加が行われました。

公開講座の一層の充実

滝沢キャンパスにおける公開講座を10回開催、内容充実を図り参加者数は1,402名となりました。

③ 県内高等学校との強固な関係の構築

高大連携事業の強化

49校への出前講義の実施、高校教員を対象とした大学見学会の開催、「いわて高校生小論文コンクール」の開催等に取り組みました。

入試制度全般に関する継続的な検討

平成23年度選抜および、平成24年度選抜以降の入試制度変更について、進学説明会や高校訪問等により積極的に周知しました。また、総合政策学部において平成25年度入試案を決定しました。

入学志願者の確保

平成24年度以降の入試制度変更に対応した学部アドミッション・ポリシーについて策定、公表したほか、フォーラム等を活用したPRを実施しました。

入試直前説明会の様子

「いわて高校生小論文コンクール」表彰式

④ 不況期における高い就職率の維持

キャリア教育の支援

文部科学省事業に本学の「岩手の地で鍛える学生主体の確かな就業力」が採択され、事業を推進しました。

きめ細かい就職支援方策の拡充

卒業生の就職先企業訪問による聞取り調査、アンケート結果の分析により、今後強化を要する能力要件を検証しました。

県内定着の推進

大学広報誌IPUへの県内企業などからのメッセージの掲載や、卒業生のUターン支援に取り組みました。

⑤ 教育研究活動推進力の抜本的な強化

大学運営組織の役割・権限の明確化による業務の最適化

学内および学外の能力開発研修への参加推進により、職員の役割や業務に関する基礎的・専門的知識の取得向上を推進しました。

教職員定数管理の適正化と教員評価システムの構築

教員定数に関する管理計画の策定を決定したほか、新たな教員評価制度案を策定しました。

広報・広聴活動の充実

ホームページや「大学年報」の改善、研究者総覧の充実を推進したほか、次期中期目標等の原案について県内4か所で県民向けの地域説明会を実施しました。

財務状況の改善

予算編成の仕組みを政策的経費と経営的経費とに区分することで明確化し、戦略的な予算配分を実施しました。

施設管理及び安全確保対策の強化

地震対応マニュアルを作成、防災訓練を実施しました。

各学部等の教育研究・地域貢献の主な取組み

看護学部において「がん看護研究会」を設立、研修会等の開催や資格申請の支援に取り組んだ結果、県で初のOCNS(がん看護専門看護師)2名認定。

社会福祉学部において「西和賀いのちのプロジェクト」を立ち上げ、「いのちの学習塾」開催、ソーシャルワークの実習・演習、学生によるフィールドワーク報告書作成を実施しました。

ソフトウェア情報学部における学部プロジェクト「ユビキタス情報社会を実現するソフトウェアの研究」を推進、115件の外部研究発表を行いました。(前年比3件増)

総合政策学部において、全学研究費による地域貢献調査活動研究を3件実施しました。

盛岡短期大学部において、二級建築士受験に向けた取組みを実施、22名が受験資格を取得しました。

宮古短期大学部で地元企業等でのインターンシップの機会を設定、例年の約2.5倍、27名の参加者を得ました。