KENDAI in the WORLD

国際社会の貢献を掲げる本学では、2019年から「国連アカデミック・インパクト」に加盟。
大学のグローバル化や異文化間の相互理解など、さまざまな取り組みを進めています。

[世界の多様性を理解する海外研修]

人種も文化も異なる人々との出会いは
自身の価値観をも変える貴重な学びに

 貧困、紛争、差別、環境破壊など、世界が抱えている様々な問題は、私たちと無関係ではありません。これらの問題は地域の課題と地続きであり、世界を知ることは地域を理解することにつながっています。こうした考えから岩手県立大学では、副専攻の一つとして「国際教養教育プログラム」を設置。世界の文化、社会、歴史などを学ぶ一方、より実践的な力を養うため語学力の習得や短期の海外研修などを実施しています。その中で国内外での異文化交流やフィールドワークを通して、グローバルな課題を実践的に学ぶ科目が「国際演習」です。
 2023年度の研修先は、ドイツとの国境沿いにあるフランスのアルザス地方。ローマ帝国時代からドイツとフランスで領土を奪い合ってきた歴史があり、多くの苦難と犠牲を強いられてきた地域です。16日間の研修には、20名の学生が参加。岩手県と関係が深いCEEJA(アルザス欧州日本学研究所)のご支援のもと、現地学生との文化交流やEU議会の見学、強制収容所の見学など、様々な体験をしました。
 参加した学生たちは、「敵国の文化も排除せず、自分たちの中に取り込んで育てていく包容力の大きさに触れ、多様性を尊重する大切さを学んだ」「積み重ねた歴史が今につながっていることを実感し、相手の国や人の背景を考え、理解することを意識するようになった」など、多くのことを学び、成長の糧にしています。後日、学生たちは、自分たちが知り得たことを多くの人に伝えたいと、アルザス研修の学びを大学祭で報告。異なる文化や価値観を理解し、共生していくことの重要性を発信しました。

海外研修の様子 海外研修の様子 海外研修の様子
国連アカデミック・インパクト

国連アカデミック・インパクト(UNAI)とは?

国連アカデミック・インパクトは、各大学が社会貢献をしながら、国連と世界各国の教育機関の活動を連携させることを目的としたプログラムで、国内でも87機関が加盟(2024年1月現在)。岩手県立大学では、UNAIに関連する様々な取り組みが行われていることから、2019年5月に加盟しました。
本学では
[原則6:国際市民としての意識向上]
[原則8:貧困問題への取組]
[原則9:持続可能性(SDGs)の推進]
[原則10:異文化間の対話や相互理解の促進]

以上の4つの原則に取り組んでおり、異文化理解のためのイベントやワークショップ、海外留学を活用した社会課題を解決する学習プログラム、海外の大学とのSDGsの課題に関する活動を実施。グローバル社会における各地域や国、世界における大学の社会的役割を追求していきたいと考えています。

2023年度の国連アカデミック・インパクト活動報告書はこちら