ポスト「平成の大合併」時代における自治に関する調査研究　―岩手県内の合併検証からのアプローチ―

H31-Ⅰ-04

①解決を目指す課題(何を解決するのか)
「自治体戦略2040構想研究会」報告書（2018年）が公表され、将来の自治（自治体行政）の大きな転換が提起されるなか、地域・自治体では自治のあり方が問われている。本研究は自治の機能や行政の単位などの大幅な見直しが目的となった、「平成の大合併」までさかのぼり、岩手を事例に、合併検証（2001年度以降14ケース）にかかる次の課題に取り組む。第一に、市町村の合併協議の全実態を明らかにする。第二に、地域・自治体における合併効果を明らかにする。これらからポスト「平成の大合併」時代における自治の展開に対する示唆を得る。
②実施方法･取組みの概要
岩手の市町村合併にかかる最も重要な検討素材として、岩手県広域行政研究会の報告書（2000年3月）があげられる。この作成に際して他県での協議を含め、膨大な関連資料が収集されるとともに、全首長・議長等へのインタビュー調査も実施された。これに係る資料等を全て入手したので、整理作業を行う。次に、当時の県・市町村の担当者は定年退職を迎えつつあることから、ご存命の当時の首長・議長（旧市町村単位）などとあわせて合併協議や合併実績に関するインタビュー調査（最低30～40人を対象）を、対面式で実施する（オーラル・ヒストリー）。