平成30年度 地域協働研究(ステージⅠ)

そしゃく(噛む力)センサーの開発と自転車競技指導への応用

研究番号 研究代表者 所属 氏名

H30-Ⅰ-14

ソフトウェア情報学部 講師 佐藤永欣
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
岩手県立紫波総合高校
(株)テーケィアールマニュファクチャリングジャパン
(株)テーケィアールマニュファクチャリングジャパン
岩手県立紫波総合高校
主事補
教諭
佐々木毅
猿舘貢
研究区分一般課題 研究分野地域社会 研究課題の内容持続可能な地域
研究フィールド 紫波町 研究協力者 紫波町、岩手医科大学、盛岡広域振興局、(有)ホロニック・システムズ、(株)P&Aテクノロジーズ、(株)東北パワージェクト

①解決を目指す課題(何を解決するのか)
岩手県立紫波総合高校自転車競技部での選手に対する運動能力の向上を行う。この目的で同校顧問からそしゃく力(噛む力)の計測の要望があった。そしゃく力のデータを記録し、練習時に表示・観察することで、選手の身体の状況が推定でき、運動能力向上の指導が効果的に行うことができる。本申請で開発する装置を「そしゃく力計測システム」と呼ぶ。このシステムの構成要素として、①そしゃく力センサー、②計測システムがある。なお計測データとしてこの他に速度、姿勢等の記録がある。これらと併用して選手指導のノウハウを構築することを目的にする。
②実施方法・取組みの概要
研究代表者は、運動選手のデータ解析を専門としている。平成28年度にホロニックシステムズ(紫波町)と共同研究を行い、自転車競技用の運動センサーを開発した。その結果、平成29年度には、紫波総合高校の中野慎詞選手がインターハイ、国体での優勝、東京五輪強化選手になる等の成果を得た。その後、疲労度の目安となる乳酸値センサーの開発に取り組んでおり、体調管理指導への活用に期待が高まっている。
同校自転車競技部顧問の猿舘教諭から更にそしゃく力を定量的に計測し、運動記録との相関が取れないかとの開発打診があった。顧問指導での経験では、虫歯が有る選手と無い選手、歯並びの良い選手と悪い選手ではスパート時の瞬発力の出し方が異なる傾向があるという。更に虫歯や歯並びを直した選手は、瞬発力が向上する傾向も確認している。以上のことにより、そしゃく力と瞬発力の相関が解明できるならば、新しい指導方法が実現出来る。
この開発打診に対し、研究代表者らは岩手医大等と連携を行い「マウスピース型そしゃく力センサー」の構想に着手した。そしゃく力を計測する既存の方法として、圧力センサーを顔面に貼り付ける方法もあるが、装着の手間や競技中の使用感の面で支障がある。このため口の中に装着し、できるだけそのままの状況で外部に無線通信し、リアルタイムで測定記録することが望ましい。そのために小型化や装着のしやすさの技術が必要である。さらに構想案は一定時間、口に含む器具の開発であり、使用素材の選定、頑強さ等の安全性の検討が必要である。

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