平成30年度 地域協働研究(ステージⅠ)

無形民俗文化財保存を目的とした「北限の海女の素潜り技術」の3D可視化

研究番号 研究代表者 所属 氏名

H30-Ⅰ-08

ソフトウェア情報学部 講師 伊藤久祥
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
久慈市 ソフトウェア情報学部
久慈市観光交流課
准教授
主査
プリマ・オキ・ディッキ
小野育成
研究区分一般課題 研究分野地域マネジメント 研究課題の内容持続可能な地域
研究フィールド 久慈市 研究協力者 小袖海女センター、久慈地下水族科学館

①解決を目指す課題(何を解決するのか)
久慈市には,小袖地区で100年余り続く伝統的な素潜り漁を継承する北限の海女が活動している。小袖海女センターは,地元海産物の販売による地域経済に貢献し,また地域の宝である北限の海女の拠点としてのシンボル的施設である。将来にわたり海女の活動を継続するにあたっては,後継となる新人の海女を育成することが欠かせない。しかしながら,水深10mに及ぶ潜水と漁の技を指導するためには,陸上での動きを指導する場合とは大きく異なる。さらに,三陸の海は水温が低く,体が冷えるために素早い潜水が求められる。このように,潜水中の身体の動きを理解するためには,目視や動画による確認だけでは不十分であり,水中に特化した3次元計測手法で素潜り技術を可視化したい。
②実施方法・取組みの概要
研究代表の所属講座では昨年度より,ステレオカメラを利用して人体関節の3次元で自動可視化することに成功した。当該カメラに防水ケースを装着することで,水中で潜水している海女を録画することが可能であり,この動画をもとに海女の素潜りの動作を3次元空間で可視化する。これにより,熟練した海女による素潜りの動作をコンピュータの画面上でさまざまな視点から確認できるようにするものである。なお,計測した3次元データを利用して,熟練した海女による素潜りの動作の特徴を把握することで,新人の海女を育成するための有用な素潜り技術に関する情報を提供しようと計画する。