① 解決を目指す課題(何を解決するのか)
(1) UIJターンを中心とした潜在的な移住希望ニーズ、地域貢献活動をしながら生活する定住ニーズに対する支援において空き家バンク等があるが、活用例は少ない。
(2) 岩手県の多くは、北海道に次ぐ、次世代省エネルギー基準の地域区分Ⅱ区域に区分された寒冷地であるにも関わらず、コスト面の負担の問題から、住環境における環境性能への優先意識が低い。
(3) 少額のイニシャルで若い世代が積極的に空き家活用に関わりたいという現場の実情では、断熱は必要だと思うが予算がかけられない、というケースが多い。
(4) 実際に空き家バンクを活用し購入した方の聞き取り調査を実施したところ、空き家を購入後には、自分でリフォーム等を行いたいという方がほとんどであるが、リフォーム等に係る予算については、市の支援制度を組み合わせても潤沢ではなく、ほとんどが水回り修繕や内装のリフォームに充てられている状況であり、空き家バンク利用者の冬期間生活に支障をきたす可能性があった。
(5) 市としては、住環境や環境性能の研究を行い、以下の目指すべき姿を設定した上で、空き家バンクを活用した移住定住希望者が冬期間の生活環境に対する不安を解消したい。
② 実施方法・取組みの概要
(1) 現在進行中の、花巻市の空き家を活用した改修計画をテストケースとして、以下項目で研究を実施。
「建築計画」:断熱材、開口部スペックの選定における理論値の計算→改修及び断熱計画の設計作成→模型作成→温熱環境のシミュレーション→解析
「実測」:施工前の空き家における現状の温熱環境の実測→施工→施工後の実測→解析
(2) 主に計画、施工に係る部分における、学生との共同作業。
(3) 主に施工に係る部分における、地域の設計事務所、工務店等との連携。
(4) 花巻市の移住定住推進の住環境支援制度への提言。
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