令和7年度 地域協働研究(ステージⅠ本格型)

郷土財活用湧水エリアにおける湿地植生の評価と湿地管理方法の確立

研究番号 研究代表者 所属 氏名

R07-Ⅰ-18

総合政策学部 教授 辻盛生
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
大槌町 総合政策学部
大槌町生涯学習課
教授
係長
島田直明
金﨑亘
研究区分一般課題 研究分野地域社会
SDGs
  • 4:質の高い教育をみんなに
  • 6:安全な水とトイレを世界中に
  • 11:住み続けられるまちづくりを
  • 15:陸の豊かさも守ろう
研究フィールド 大槌町 研究協力者 三陸自然学校大槌・臼澤良一、平塚明、佐々木理史

① 解決を目指す課題(何を解決するのか)
 2021年に竣工した郷土材湧水エリアビオトープであるが、「湿性園地」の乾燥が進み、湿地として維持できない状態であった。2022年度の地域協働研究により、規模が大きく中核的位置づけにある湿性園地へ、自噴井から自然流下による導水で湿地にすることに成功した。その後2023、2024年度にはイオン環境活動助成を得て100本の樹木植栽と、新たな池の創出を行い、基盤となる整備が完了概ね完了した。本研究においては、ビオトープの構成植物種の把握と、湿地、陸域共に、目標とする景観形成に向けた効率的な維持管理を行うための提案を行う。

② 実施方法・取組みの概要
 湿地や池に自然に生育した植物種構成の調査を実施する。また、2022年度の地域協働研究で創出した湿地の水分条件及び湿地内の水質の分布をモニタリングする。湧出水は清澄であるが、栄養塩が含まれる。流入する湿地内では植物の草丈が場所によって異なり、水質による差が生じていると考えられる。貧栄養水域を活用し、低茎草本で維持できれば管理の省力化が可能になる。また、新たに創出した池には絶滅危惧種の再生が確認されるものの、ガマの過繁茂が見られるなど、水域維持の工夫が必要であり、ここでも貧栄養水域の応用を模索したい。また、陸域においては草本の繁茂が見られ、人が気軽に立ち寄り、水環境とふれあうことができる場にするための維持管理方法の確立が必要とされている。