令和6年度 地域協働研究(ステージⅠ)

安比川流域に眠る「漆と蔵」調査と活用について

研究番号 研究代表者 所属 氏名

R06-Ⅰ-04

盛岡短期大学部 教授 三須田善暢
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
日本遺産奥南部漆物語推進協議会 宮城学院女子大学
岩手大学教学マネジメントセンター
秋田大学教育文化学部
山形大学農学部
佛教大学文学部
日本遺産奥南部漆物語推進協議会
学長
元教授
教授
教授
非常勤講師
主任
長谷部弘
脇野博
石沢真貴
林雅秀
大野啓
斉藤徹弥
研究区分一般課題 研究分野地域社会
SDGs
  • 4:質の高い教育をみんなに
  • 11:住み続けられるまちづくりを
研究フィールド 八幡平市 研究協力者 安代地区振興協議会、イーハトーヴォ安比高原自然学校、うるしび合同会社、安比漆器工房、㈱八幡平DMO、漆でつながる会

① 解決を目指す課題(何を解決するのか)

 漆は、英語でジャパンと英訳されるとおり日本文化の象徴の一つであると言える。岩手県の漆の生産量は日本一であり、国宝や重要文化財の修復に欠かせない原料であり、鹿苑寺金閣など世界遺産となっている建造物の保存修理にも使用されている。一方で、令和2年には「漆掻き」がユネスコ無形文化遺産登録、「安比川流域の漆文化」が日本遺産認定など国内外から評価を受けているが、漆に対して地域住民への関心が低い現状にあることから、ウルシ木の植栽が進まず漆を採取するための原木を確保することが難しい状況になっている。地域住民の機運を高め漆文化の継承をすることが喫緊の課題である。

② 実施方法・取組みの概要

 ❶蔵の調査:安代地区は渋沢栄一の孫である敬三や、民藝運動の提唱者である柳宗悦などが訪れるほど、安比川流域には人を魅了する漆文化が潜在的にあることが分かる。蔵調査をすることによって、民藝の精神をまとった生活雑器(漆器)を整理し、目録を作成する。❷漆器で郷土料理の試食会:蔵調査で発見された漆器を活用し地域の婦人会等が中心となり郷土料理づくりを行い、地域内での交流を促す。➌蔵の公開:蔵にある、漆器や民具を中心に整理し観光客に公開できる状況に整備する。➍遊休農地へのウルシの植栽:漆文化の継承の機運が高まると同時に、農地保全の一環としてウルシ木の植樹祭を実施する。