令和5年度 地域協働研究(ステージⅠ)

西和賀産わらび粉の新用途の開発と認知度向上

研究番号 研究代表者 所属 氏名

R05-Ⅰ-03

盛岡短期大学部 教授 長坂慶子
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
やまに農産株式会社 稲作・作業受託部門 髙橋秀
研究区分一般課題 研究分野地域社会
SDGs
  • 12:つくる責任 つかう責任
  • 15:陸の豊かさも守ろう
研究フィールド 岩手県西和賀町 研究協力者 岩手県工業技術センター 食品技術部 主任専門研究員 晴山聖一

① 解決を目指す課題(何を解決するのか)

「和食」が無形文化遺産に登録されてから、各地で地域に根差した多様な食材に注目が集まり、見落とされていた地域資源を再評価する動きがある.岩手県内陸の中山間地域は、過疎化や住民の高齢化が進んでおり消滅に瀕している資源が少なくない.わらび粉もその一つで、関西圏ではその稀少価値が評価され良いイメージが持たれているが、岩手県の喫食経験者にとっては戦中戦後や飢饉時の救荒食というイメージしかなく、後世に伝える機会は殆どない.本研究では、わらび粉という地域資源の特長を明らかにし、長期的な資源確保と安定的な生産技術を確立するとともに、若い世代にも受け入れられる用途開発の端緒を提示したいと考える.

② 実施方法・取組みの概要

本研究では上記の目的の一部を遂行するために、まず若い世代(本学学生)を対象にわらび粉に関する認知度を中心とした実態および嗜好調査(アンケート調査)を実施して現状を把握し、若い世代の地域資源や食文化に関する意識、新規食品に求めるニーズを分析する.わらび粉の理化学的な特性を検討した先行研究は少なく、根茎でんぷんの研究事例を参考に実験計画を立案し特性を明らかにする.他産地のわらび粉や他品種の根茎でんぷんとの比較により、他にはない西和賀産わらび粉の特長を明らかにしていく.わらび粉の分析により気候や生育条件などによる影響を最小限にした安定した品質維持のための解決策やわらび粉を利用した新用途の開発を検討する.