vol.80

岩手県立大学広報誌WEB版

このページは岩手県立大学広報誌「県立大Arch!」のWeb版です。
広報誌「県立大Arch!」の掲載情報をもとに作成されています。

県立大Arch!

アイで世界を変える県立大学ピックアップ

岩手県立大学加盟
「国連アカデミックインパクト(UNAI)」
の原則に関連する教育研究紹介

持続可能性の推進SDGs カードゲームで学ぶ持続可能な社会づくり

行動が社会を変える 2030年の世界をジェネレーションしよう「プロジェクトカード」のほか、「意思」「時間」「お金」カードのやり取りを行うことで世界の状況をシミュレーションする「2030 SDGsカードゲーム」

 岩手県立大学アイーナキャンパスで開催されている「アイーナSDGs講座」。SDGsはSustainableDevelopment Goals(持続可能な開発目標)の略称で、国連によって採択された2030年までに達成するべき世界の目標です。貧困問題や健康と福祉、環境問題、産業やまちづくりなど17の目標から成り立っています。

令和2年12月に開催された総合政策学部の渋谷晃太郎教授による講座では、一般市民や社会人などを対象に「SDGsカードゲーム」を活用したワークショップを行いました。渋谷教授に講座のねらいや意義について伺いました。「このゲームでは、感覚的に2030年までの世界の経済や社会の動きがシミュレーションできます。首都圏では企業が主体となってゲーム専門のファシリテーターを呼び、長いときは3日間もかけて社員向けのセミナーを行うほど、SDGsは社会がこぞって取り組むべき課題だと認識されています。岩手ではSDGsカードゲームというと子どもの遊びのような誤解もまだまだあります。この公開講座ではSDGsを知ってもらい、岩手の企業や行政にも取り組みが広がっていくことを目的として、導入部分を初級向けに実施しています。アイーナで毎月1回開催されているSDGsカフェの取組みもあって、ようやく県内の企業や団体でもSDGsは普及してきたところです。今は学校教育でもSDGsが取り入れられているため、ミレニアル世代のSDGsネイティブと呼ばれる若い人たちに取り残されないよう大人たちが学ばなければなりません。岩手県でも企業が率先してSDGsに取り組むようになればと考えています」。今後も県立大学では公開講座や出前講座などを通じてSDGsの普及活動を進めていきます。

行動が社会を変える 2030年の世界をジェネレーションしよう「プロジェクトカード」のほか、「意思」「時間」「お金」カードのやり取りを行うことで世界の状況をシミュレーションする「2030 SDGsカードゲーム」

ファシリテーターによりゲームが管理され、参加者はプロジェクトのゴールを目指してゲームを進行していきます

ゲーム終了後に、プロジェクトの成果や世界の状況を振り返るワークが行われ、どんな行動が世界に変化をもたらしたか考察していきます

国際市民としての意識向上× 異文化理解の促進海外の言語や文化への理解を深め「21 世紀型スキル」を磨く

国際色豊かな先生方が言語と文化をレクチャー

 盛岡短期大学部国際文化学科では例年、1年次の「国際文化理解演習」においてアメリカまたは韓国での海外研修が行われています。令和2年度は新型コロナウイルスの感染拡大により海外研修が取りやめとなりましたが、オーストラリア出身のヘイミッシュ・スミス講師、アメリカ出身のパトリック・マーハー講師らが中心となり、学生の異文化理解を深めるための授業が展開されています。ヘイミッシュ講師に話を伺ったところ、「今年は岩手の文化を海外にPRする方法について考える授業や、海外のクリスマスパーティーの要素を取り入れた授業、外国人から見た日本の意外な印象や、国による文化の違いなどを伝える授業を行っています。岩手の漆職人のクラフトマンシップを海外に伝えようとする学生がいたり、情報発信について分析したり試行する良い機会になりました」と教えてくれました。

 「国際文化理解演習」の授業は、会話も筆記も基本的に全て英語で行われます。授業外でもスピーキングセッションとして英語での会話ノルマがあるなど、学生たちは日々英語に接しています。オーストラリア英語とアメリカ英語の、2種類の表現に触れられるのも魅力のひとつです。「一般的に日本人は大人しいと言われますが、県立大の学生はよく意見を話すし、授業にも興味を持って楽しんで学んでいると思います。学生たちには海外でも『21世紀型スキル』と呼ばれて必要とされる、クリティカルシンキング(批判的思考)やコラボレーション(協働)、フレキシビリティ(柔軟性)、リーダーシップや情報リテラシーなど、マークシート試験だけでは測れないスキルを磨いて欲しいと考えています」とヘイミッシュ講師は話してくれました。

国際色豊かな先生方が言語と文化をレクチャー

「国際文化理解演習」の授業は全て英語で行われます。この日の授業では、ヘイミッシュ講師の母国であるオーストラリアの地理や食べ物、慣用句について学びました

非常勤を経て令和2年度から岩手県立大学で教鞭を執るヘイミッシュ・スミス講師。日本に来ておよそ10年、「岩手が大好き」と語ります

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