○公立大学法人岩手県立大学研究用微生物安全管理規程
平成22年12月22日
規程第25号
(目的)
第1条 この規程は、公立大学法人岩手県立大学における研究用微生物の保管及び取扱いを安全に行うことを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において、用語の定義は、それぞれ次に定めるところによる。
(1) 「研究用微生物」(以下「微生物」という。)とは、細菌、真菌、ウイルス並びに寄生虫をいう。
(2) 「病原性」とは、微生物が何らかの機構により、人又は動物に危害を及ぼすことをいう。
(3) 「実験室等」とは、微生物を取り扱う実験室及び関連する室をいう。
(4) 「学部等」とは、岩手県立大学の各学部、岩手県立大学盛岡短期大学部、岩手県立大学宮古短期大学部、高等教育推進センター及び研究・地域連携本部をいう。
(職員等の責務)
第3条 職員等(職員及び学生をいう。以下同じ。)は、学内で微生物の保管又は取扱いを行う場合は、この規程に適合する方法によらなければならない。また、法令等に定める事項については、これを遵守しなければならない。
(学長等の責務)
第4条 学長は、本学における微生物の安全管理に関する業務を統括する。
2 学長は、必要があると認めるときは、理事長及び学部等の長と相互に連携、協議し、危害拡大の防止、関係情報の収集等、必要な措置を講じなければならない。
3 学部等の長は、当該学部等における微生物の保管及び取扱いについて直接責任を負う。
(微生物のセーフティレベル分類)
第5条 微生物のセーフティレベルを分類する基準は、別表1に定める。
(施設の安全設備及び運営に関する基準等)
第6条 微生物を取り扱う施設は、微生物のレベルに応じ別表2に定める基準に従って必要な設備を備え、運営されるものとする。
(禁止事項)
第7条 本学施設内では、別表1に定めるレベル3及び4の微生物の保管及び取扱いを行ってはならない。
3 学長は、申請内容を審査し、承認するものとする。
4 学長は、当該申請の承認の可否について、学部等の長を経由して、職員等に通知するものとする。
(微生物の運搬)
第9条 職員等は、別表1に定めるレベル2の微生物を移動させる場合、法令及び厚生労働省等において定める運搬の基準に従い、当該微生物の散逸を防止できる専用の容器、包装及び外装により、これを実施しなければならない。
(微生物の処置)
第10条 職員等は、微生物に汚染されたおそれのある物品を消毒するとき、又は微生物を廃棄するときは、次の各号に掲げる方法で消毒滅菌を行わなければならない。
(1) 0.01%以上の次亜塩素酸ナトリウム水による1時間以上の浸漬をする方法
(2) 121℃以上で15分以上又はこれと同等以上の効果を有する条件での高圧蒸気滅菌をする方法
(3) 前2号と同等以上の効果を有する方法
(検査)
第11条 学長は、必要に応じ職員を指名し立入検査を行わせることができる。
(事故)
第12条 次の各号に掲げる場合は、これを事故として取り扱うものとする。
(1) 外傷その他により、別表1に定めるレベル2の微生物が職員等の体内に入った可能性がある場合。
(2) 職員等の健康診断の結果、別表1に定めるレベル2の微生物による健康障害であることが明確に特定できた場合。
(3) 第15条第3項に規定する報告があった場合。
3 前項の通報を受けた学部等の長は、直ちに学長に報告し共同して速やかに所要の応急措置を講じなければならない。
4 学長は、必要があると認めるときは、危険区域を設定し、危険区域の一定期間の使用禁止及び適切な事後措置を講ずることを命ずることができる。
5 学長は、前項の措置を講じたときは、事故の内容、危険区域及び事後処置の内容等を職員等に通知しなければならない。
6 学部等の長は、事後処置後の安全性を確認したときは、遅滞なく学長に報告しなければならない。
7 学長は、前項の報告を受けたときは、当該危険区域の使用禁止を解除し、職員等にその旨通知しなければならない。
(健康管理)
第13条 学長は、公立大学法人岩手県立大学職員安全衛生管理規程(平成17年規程第66号)第32条第1項の規定による定期健康診断のほか、必要があると認められるときは、臨時の健康診断を実施することができる。
(健康診断後の措置)
第14条 学長は、健康診断の結果、職員等に別表1に定めるレベル2の微生物による感染が疑われるときには、直ちに安全確保のために必要な措置を講ずるものとする。
(病気等の届出等)
第15条 微生物を取り扱う職員等は、当該微生物による感染が疑われる場合は、直ちに学部等の長にその旨を届け出なければならない。
2 前項の届出を受けた学部等の長は、直ちに当該微生物による感染の有無について、詳細な調査をしなければならない。
3 学部等の長は、前項の調査の結果、当該微生物に感染したと認められる場合又は医学的に不明瞭である場合は、直ちに、学長に報告しなければならない。
附則
(施行期日)
1 この規程は、平成22年12月22日から施行する。
(公立大学法人岩手県立大学毒物及び劇物管理規程の一部改正)
2 公立大学法人岩手県立大学毒物及び劇物管理規程(平成18年規程第10号)の一部を次のように改正する。
次のよう(省略)
附則(平成26年3月31日規程第17号)
この規程は、平成26年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月31日規程第37号)
この規程は、平成28年4月1日から施行する。
別表1 微生物のレベルの分類基準
区分 | ヒトへの病原性の分類基準 (通常の量の微生物を用いて試験管内等で実験を行う場合) | 動物間における感染性の分類基準 (ヒトに対する病原性はないもの又は極めて低いが、動物間において感染を起こすものを用いて試験管内等で実験を行う場合) |
レベル1 | ヒト又は動物に重要な疾患を起こす可能性のないもの | 動物への感染がほとんどないもの |
レベル2 | ヒト又は動物に対する病原性を有するが、職員等及び家畜等に対し、重大な災害となる可能性が低いもの | 動物への感染は少なく、感染が起きても汚染は防ぎ得るもの |
レベル3 | ヒト又は動物に感染すると通常重篤な疾病を起こすが、一つの個体から他の個体への伝播の可能性は低いもの | 動物への感染力が強く、感染が起きるもの |
レベル4 | ヒト又は動物に重篤な疾病を起こし、かつ、罹患者より他の個体への伝播が、直接又は間接に容易に起こり得るもの。また、有効な治療及び予防法が通常得られないもの |
備考
1 この表の基準によるレベルの該当性を明確に判断することが困難な場合は、国立感染症研究所が定める病原体等安全管理規程における病原体等のBSL(バイオセーフティレベル)分類等を参考とし、判断するものとする。
2 「ヒトへの病原性の分類基準」においては、次の事情によりレベルの分類を変更する場合がある。
(1) 国内に常在しない疾患等の病原体となる微生物については、より病原性の高い微生物と同等のレベルに分類する場合がある。
(2) ベクターを介さないと伝播し得ない微生物については、実験内容及び地域性を考慮の上、レベルを変更できるものとする。
別表2
微生物を用いる施設の安全設備及び運営の基準
レベル | 基準 |
レベル1 | (1) 実験室等を使用すること(特別の隔離の必要はない。)。 (2) 立入りを禁止する必要はないこと。 |
レベル2 | (1) 実験室等を使用すること。 (2) 実験は、生物学的安全キャビネット、又はグローブボックスの中で行うこと。 (3) 実験進行中は、立入りを禁止すること。 |