○公立大学法人岩手県立大学における研究活動上の不正行為の防止等に関する規程

平成19年11月8日

規程第34号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 研究活動上の不正行為の防止に関する体制及び責務(第3条―第6条)

第3章 不正防止計画等(第7条―第9条)

第4章 通報の処理及び調査等(第10条―第27条)

第5章 認定後の措置(第28条―第32条)

第6章 通報者及び被通報者の保護等(第33条―第36条)

第7章 内部監査(第37条)

第8章 雑則(第38条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、公立大学法人岩手県立大学(以下「法人」という。)及び法人が設置する岩手県立大学、岩手県立大学盛岡短期大学部及び岩手県立大学宮古短期大学部(以下「本学」という。)における研究活動上の不正行為の防止及び研究活動上の不正行為が生じた場合に厳正かつ適切に対応するための措置等に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 職員等 法人に雇用されているすべての者、法人の施設・設備を利用して研究に携わる者及び本学の学生(研究生その他本学において修学する者を含む。)をいう。

(2) 研究活動上の不正行為 研究の立案・計画・実施・成果の取りまとめの各過程においてなされる次に掲げる行為をいう。ただし、科学的に適切な方法により正当に得られた研究成果が結果的に誤りであった場合及び故意によるものでないことが根拠をもって明らかにされた場合は、研究活動上の不正行為には当たらないものとする。

 捏造 存在しないデータ、研究結果等を作成すること。

 改ざん 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。

 盗用 他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研究者の了解若しくは適切な表示なく流用すること。

 から以外の研究活動上の不適切な行為であって、科学者の行動規範(平成18年10月3日日本学術会議制定)及び社会通念に照らして研究者倫理からの逸脱の程度が甚だしいもの。

 研究費の不正使用 実態とは異なる謝金又は給料の請求、物品購入に係る架空取引、不当な旅費の請求、その他関係法令、競争的資金などの公募型の研究資金の配分機関(以下「資金配分機関」という。)の定め、学内関係規程等に違反して研究費を使用すること。

(3) 部局等 各学部、各研究科、各短期大学部、高等教育推進センター、各本部及び事務局をいう。

第2章 研究活動上の不正行為の防止に関する体制及び責務

(最高管理責任者)

第3条 学長は、本学における研究活動上の不正行為の防止並びに研究費の運営及び管理について、最終責任を負う者(以下「最高管理責任者」という。)として、研究活動上の不正行為が生じた場合には、次条に定める統括管理責任者及び第5条に定める部局責任者と連携し、必要な措置を講じなければならない。

2 最高管理責任者は、前項の責務を遂行するに当たり、必要に応じて統括管理責任者に指示を与えるものとする。

3 最高管理責任者は、統括管理責任者が責任を持って研究活動上の不正行為の防止並びに研究費の運営及び管理が行えるよう、適切にリーダーシップを発揮しなければならない。

(統括管理責任者)

第4条 最高管理責任者を補佐し、本学における研究活動上の不正行為の防止並びに研究費の適正な運営及び管理について本学全体を統括する実質的な権限と責任を持つ者(以下「統括管理責任者」という。)を置き、研究活動上の不正行為(研究費の不正使用を除く。)の防止に関しては学術研究を担当する副学長を、研究費の運営及び管理並びに研究費の不正使用の防止に関しては事務局長をもって充てる。

2 統括管理責任者は、前項の責務を遂行するにあたり、必要に応じて、部局責任者に指示を与えるものとする。

3 統括管理責任者は、本学における研究活動上の不正行為の防止並びに研究費の適正な運営及び管理のために、第7条に規定する不正防止計画の実施状況をモニタリングするとともに、実施状況を最高管理責任者に報告する。

(部局責任者)

第5条 各部局等に、当該部局等における研究活動上の不正行為の防止並びに研究費の適正な運営及び管理について実質的な権限と責任を有する者(以下「部局責任者」という。)を置き、当該部局等の長(事務局にあっては、当該室等の長)をもって充てる。

2 部局責任者は、統括管理責任者の指示の下、研究費の運営及び管理に関わる研究倫理推進責任者として、次の各号の役割を担う。

(1) 自己の管理監督又は指導する部局等における対策を実施し、実施状況を確認するとともに、実施状況を統括管理責任者に報告する。

(2) 不正防止を図るため、部局等内の研究費の運営及び管理に関わる全ての構成員に対し、コンプライアンス教育を実施し、受講状況を管理監督する。

(3) 自己の管理監督又は指導する部局等において、定期的に啓発活動を実施する。

(4) 自己の管理監督又は指導する部局等において、構成員が、適切に研究費の管理及び執行を行っているか等をモニタリングし、必要に応じて改善を指導する。

3 部局責任者は、研究倫理教育責任者として、研究活動に関わる者を対象に研究倫理教育を実施する。

(職員等の責務)

第6条 職員等は、研究費を適正に使用するとともに、研究活動上の不正行為を行ってはならない。

2 職員等は、この規程及びこの規程に基づく部局責任者の指示に従わなければならない。

第3章 不正防止計画等

(不正防止計画)

第7条 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為を発生させる要因(以下「不正発生要因」という。)を把握し、その対応のため、研究活動上の不正防止計画(以下「不正防止計画」という。)を策定し、自ら不正防止計画の進捗管理に努める。

(不正防止計画推進部署)

第8条 最高管理責任者の下、全学的な観点から不正防止計画を推進するため、不正防止計画推進部署を置き、研究・地域連携本部をもって充てる。

2 不正防止計画推進部署は、不正防止計画の推進に関する業務を行う。

(不正防止計画の実施)

第9条 各部局等は、不正防止計画推進部署と協力しつつ、主体的に不正防止計画を実施しなければならない。

第4章 通報の処理及び調査等

(通報窓口の設置)

第10条 本学における研究活動上の不正行為に関する通報(以下「通報」という。)及び相談を受け付ける窓口(以下「通報窓口」という。)を総務室(宮古短期大学部にあっては、宮古事務局)及び本学が委託する法律事務所に設置する。

(通報の方法)

第11条 職員等にかかる研究活動上の不正行為の疑いがあると思料する場合は、何人も、通報することができる。

2 通報は、電話、電子メール、ファクシミリ、文書又は面会の方法により、通報窓口に行うものとする。

3 通報は、原則として実名によるものとし、研究活動上の不正行為を行ったとする職員等又は研究グループ、不正行為の態様等、事案の内容が明示され、かつ不正とする合理的理由が示されていなければならない。

(通報の受付等)

第12条 通報窓口において、通報を受けたときは、速やかに該当する統括管理責任者に報告するとともに、通報を受理した旨を当該通報者に通知するものとする。

2 通報窓口の担当以外の本学の職員等が通報を受けたときは、速やかに通報窓口に連絡し、又は当該通報者に対し通報窓口に通報をするように助言するものとする。

3 通報窓口の職員は、通報内容及び通報者の秘密を守るため、通報を受け付ける場合は、個室での面談の実施又は電話若しくは電子メール等を通報窓口の担当職員以外が閲覧できないような措置をとるなど、適切な方法を講じなければならない。

4 通報の意思を明示しない相談について、通報の意思表示がなされない場合には、その内容に応じ、通報に準じた取扱いをすることができる。

(匿名通報の取扱い)

第13条 匿名による通報があった場合は、通報内容に応じ、実名による通報に準じた取扱いをすることができる。

2 報道機関、学会等の研究者コミュニティ、その他の機関から研究活動上の不正行為の疑いが指摘された場合は、その内容に応じ、実名による通報に準じて取り扱うものとする。

3 インターネット上に研究活動上の不正行為の疑いが掲載されている場合は、その内容に応じ、実名による通報に準じた取扱いをすることができる。

(予備調査の実施)

第14条 統括管理責任者は、通報を受けたときは、当該通報の内容を最高管理責任者に報告するとともに、速やかに通報内容の合理性、調査可能性等について予備調査を実施する。

2 統括管理責任者は、予備調査を行うため、必要に応じて職員等その他必要と認められる者からなる予備調査委員会を設置することができる。この場合において、予備調査委員会は、統括管理責任者が指名するものを委員として組織するものとする。

3 予備調査は、対象となる部局等に対して関係資料の提出、事実の説明その他必要な書類等の提出を求めるとともに、必要に応じて関係者のヒアリングを行うことにより、実施するものとする。

4 統括管理責任者は、通報がなされる前に取り下げられた論文等に対する調査を行う場合は、取り下げに至った経緯・事情を含め、研究活動上の不正行為の問題として調査すべきものか否かを検討のうえ、判断するものとする。

5 統括管理責任者は、通報を受理した日から起算して概ね30日以内に予備調査の結果を最高管理責任者に報告する。

(本調査の要否の決定及び通知)

第15条 統括管理責任者は、予備調査結果に基づき、通報がなされた事案に係る本格的な調査(以下「本調査」という。)を実施するか否かを決定し、当該調査の要否を資金配分機関に報告する。

2 統括管理責任者は、前項により本調査を実施することを決定した場合は、速やかに最高管理責任者に報告するとともに、資金配分機関及び文部科学省に対して通知する。この場合において、被通報者が本学以外の機関に所属しているときは、当該研究機関に対しても本調査を実施する旨通知するものとする。

3 統括管理責任者は、第1項により本調査を実施することを決定した場合は、通報者及び被通報者に対して本調査を行う旨を通知し、本調査への協力を求める。

4 統括管理責任者は、第1項により本調査を実施しないことを決定した場合は、その理由を付して通報者に通知する。この場合、予備調査に係る資料等を保存し、当該事案に係る配分機関及び通報者の求めに応じて開示することができる。

5 本調査は、第1項による本調査の実施が決定された日から起算して概ね30日以内に開始するものとする。

(本調査の実施)

第16条 統括管理責任者は、本調査を行うため、職員等その他必要と認められる者からなる調査委員会を設置する。この場合において、調査委員会は、通報者及び被通報者と直接の利害関係を有しない者のうちから、統括管理責任者が指名するものを委員として組織する。

2 統括管理責任者は、調査委員会を設置したときは、調査委員会委員の所属、職及び氏名を通報者及び被通報者に通知する。

3 前項の通知を受けた通報者及び被通報者は、当該通知を受けた日から起算して14日以内に書面により統括管理責任者に対して調査委員会委員に関する異議申し立てをすることができる。

4 前項の異議申し立てがあった場合、統括管理責任者は、異議申し立ての内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、当該異議申し立てに係る調査委員会委員を交代させるとともに、その旨を通報者及び被通報者に通知する。

5 調査委員会は、不正の有無及び不正の内容、関与した者及びその関与の程度、不正使用の相当額等についての調査を実施する。

6 調査委員会は、指摘された当該研究に係る論文、実験・観察ノート、生データ等の各種資料の精査、関係者のヒアリング及び再実験の要請等により本調査を行う。なお、研究費の不正使用に係る事案のときは、各種伝票、証拠書類、申請書等の関係書類の精査及び関係者のヒアリング等により本調査を行う。

7 調査委員会は、再実験等により再現性を示すことを求める場合又は被通報者からその申出があった場合は、それに要する機会(機器、経費等を含む。)を保障するものとする。ただし、被通報者により同じ内容の申出が繰り返して行われた場合において、それが当該事案の本調査の引き延ばしを主な目的とするものであると調査委員会が判断するときは、当該申出を認めないものとする。

8 調査委員会の本調査に対し、通報者、被通報者その他当該通報事案に関係する者は、誠実に協力しなければならない。

(本調査の対象)

第17条 本調査の対象は、通報された事案に係る研究又は研究費のほか、調査委員会の判断により、本調査に関連した被通報者の他の研究又は研究費を含めることができる。

(証拠の保全)

第18条 調査委員会は、本調査に当たって、通報された事案に係る研究又は研究費について、証拠となる資料、関係書類等を保全する措置をとる。この場合において、当該研究が本学以外の研究機関等で行われたものであるときは、調査委員会は、通報された事案に係る研究又は研究費について、証拠となる資料、関係書類等を保全する措置をとるよう当該研究機関等に依頼するものとする。

2 調査委員会は、証拠となる資料、関係書類等の入手が困難な場合又は隠蔽が行われるおそれがある場合には、必要最小限の範囲で通報された事案に係る研究活動の停止、本調査事項に関連する場所の一時閉鎖又は機器及び資料等の保全措置をとることができる。この場合において、当該措置をとるに当たっては、当該部局責任者にその旨通知するものとする。

3 調査委員会は、前2項の措置に影響しない範囲内であれば、被通報者の研究活動を制限しないものとする。

(本調査における研究又は技術上の情報の保護)

第19条 調査委員会は、本調査対象における公表前のデータ、論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が、本調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう十分配慮するものとする

(不正行為の疑惑への説明責任)

第20条 本調査において、被通報者が通報に関する疑惑(研究費の不正使用に係る疑惑を除く。)を晴らそうとする場合は、自己の責任において、当該研究が科学的に適正な方法及び手続に則って行われたこと、論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを、科学的根拠を示して説明しなければならない。この場合において、再実験等を必要とするときは、第16条第7項に定めるところにより、被通報者に対しそれに要する機会(機器、経費等を含む。)を保障するものとする。

2 本調査において、被通報者が通報に関する研究費の不正使用に係る疑惑を晴らそうとする場合は、当該研究費の使用が適正な方法及び手続に則って行われたことを、証拠となる資料及び関係書類等を示して説明しなければならない。

3 調査委員会は、前2項の説明責任の程度について、研究分野の特性又は関係書類等の保存状況等に応じて、判断するものとする。

(本調査の中間報告)

第21条 最高管理責任者は、通報された事案に係る資金配分機関の求めに応じ、本調査の終了前であっても、本調査の進捗状況報告及び中間報告を当該資金配分機関に提出するものとする。

(認定)

第22条 調査委員会は、第20条第1項又は第2項により被通報者が行う説明を受けるとともに、本調査によって得られた物的・科学的証拠、証言及び被通報者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、研究活動上の不正行為か否かの認定を本調査開始後概ね150日以内に行う。この場合において、被通報者の研究体制、データチェックのされ方、研究費の使用状況等さまざまな点から故意性を判断するものとする。

2 調査委員会は、前項に規定する認定に当たり、被通報者の自認を唯一の証拠として研究活動上の不正行為と認定することはできない。

3 調査委員会の調査において、研究活動上の不正行為(研究費の不正使用を除く。以下この項において同じ。)に関する証拠が提出された場合には、被通報者の説明及びその他の証拠によって、研究活動上の不正行為であるとの疑いが覆されないときは、研究活動上の不正行為と認定される。

また、被通報者が生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬等の不存在など、本来存在するべき基本的な要素の不足により、研究活動上の不正行為との疑いを覆すに足る証拠を示せないときも同様とする。ただし、被通報者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず、その責によらない理由(例えば災害など)により、上記の基本的な要素を十分に示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められる場合はこの限りではない。また、生データや実験・観察ノート、実験材料・試薬等の不存在などが、各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間や被通報者が所属する、又は通報に係る研究活動を行っていたときに所属していた研究機関が定める保存期間を超えることによるものである場合についても同様とする。

4 調査委員会は、第1項に規定する認定において、研究活動上の不正行為が行われたものと認定したときは、その内容、研究活動上の不正行為に関与した者及びその関与の度合を併せて認定するものとする。

5 調査委員会は、第1項に規定する認定において、研究費の不正使用が行われたものと認定したときは、その内容、研究費の不正使用に関与した者及びその関与の度合、不正使用された研究費の額を併せて認定するものとする。

6 調査委員会は、第1項に規定する認定において、研究活動上の不正行為が行われなかったと認定した場合で、本調査を通じて通報が悪意(被通報者を陥れるため若しくは被通報者が行う研究を妨害するため等、専ら被通報者に何らかの損害を与えること又は被通報者が所属する組織等に不利益を与えることを目的とする意思をいう。以下同じ。)に基づくものであることが判明したときは、併せてその旨の認定を行うものとする。この場合において、当該認定を行うに当たっては、通報者に弁明の機会を与えなければならない。

7 統括管理責任者は、調査委員会が第1項の規定に基づき認定をしたときは、直ちに最高管理責任者にその内容を報告する。

(調査結果の通知)

第23条 最高管理責任者は、前条第7項の報告を受けた後、当該調査委員会の調査結果を速やかに通報者及び被通報者(被通報者以外で研究活動上の不正行為に関与したと認定された者を含む。以下同じ。)並びに理事長に通知するとともに、当該資金配分機関及び文部科学省に通知する。この場合において、被通報者が本学以外の機関に所属しているときは、当該所属機関にも通知するものとする。

2 最高管理責任者は、通報がなされる前に取り下げられた論文等に係る本調査で、研究活動上の不正行為があったと認定されたときは、取り下げなど職員等が自ら行った善後措置並びにその措置をとるに至った経緯及び事情等を前項の通知に付すものとする。

3 最高管理責任者は、悪意に基づく通報との認定があった場合において、通報者が本学以外の機関に所属しているときは、当該所属機関にも通知するものとする。

(不服申立て及び再調査)

第24条 第22条の規定により研究活動上の不正行為が行われたものと認定された被通報者及び悪意に基づく通報をしたものとして認定された通報者(被通報者の不服申立てによる再調査の結果、悪意に基づく通報をしたものと認定された者を含む。以下同じ。)は、前条第1項に規定する通知を受けた日から起算して14日以内(再調査の結果、悪意に基づく通報をしたものと認定された者については、第10項に規定する通知を受けた日から起算して14日以内)に書面により、統括管理責任者に対して不服申立てを行うことができる。ただし、その期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返し行うことはできない。

2 前項の規定にかかわらず、不服申立ての趣旨が調査委員会の構成等、その公正性に係るものであるときは、その理由を付して最高管理責任者に対して不服申立てを行うものとする。

3 最高管理責任者は、前項の不服申立てがあった場合は、不服申立ての対象となった調査委員会委員に代えて、他の者に審査を行わせることができる。

4 統括管理責任者は、不服申立てがあった場合は、調査委員会において、当該不服申立ての審査を行う。

5 統括管理責任者は、研究活動上の不正行為があったと認定された場合に係る被通報者による不服申立てがあった場合は、直ちに最高管理責任者に報告するとともに、不服申立ての趣旨、理由等を勘案し、当該事案の再調査を行うか否かを調査委員会に諮り、速やかに決定する。

6 統括管理責任者は、前項の不服申立てについて、再調査を行うまでもなく、不服申立てを却下すべきものと決定した場合には、直ちに最高管理責任者に報告するとともに、当該申立てを行った者(以下「申立者」という。)に通知する。この場合において、当該不服申立てが当該事案に係る認定の引き延ばし又は認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会が判断するときは、統括管理責任者は、以後の不服申立てを受け付けないことを併せて通知するものとする。

7 統括管理責任者は、再調査を行う決定をした場合は、直ちに最高管理責任者に報告するとともに、当該申立者に通知し、先の調査結果を覆すに足る資料の提出等、当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求める。この場合において、その協力が得られないときは、再調査を行わず、審査を打ち切ることができる。

8 統括管理責任者は、前項後段の場合においては、直ちに最高管理責任者に報告するとともに、当該申立者に対して当該決定を通知する。

9 統括管理責任者は、被通報者から研究活動上の不正行為の認定に係る不服申立てがあったときは、通報者に通知し、最高管理責任者は、当該資金配分機関及び文部科学省に通知するものとする。不服申立ての却下又は再調査開始の決定をしたときも同様とする。

10 統括管理責任者は、再調査を開始した場合は、概ね50日以内に、調査委員会において先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果を直ちに最高管理責任者に報告するとともに、当該結果を被通報者及び通報者に通知し、最高管理責任者は、当該資金配分機関及び文部科学省に通知するものとする。

11 統括管理責任者は、悪意に基づく通報と認定された通報者から不服申立てがあった場合は、最高管理責任者に報告するとともに被通報者に通知し、最高管理責任者は、通報者が所属する機関並びに当該資金配分機関及び文部科学省に通知するものとする。

12 統括管理責任者は、前項の申立てについては、概ね30日以内に調査委員会において再調査を行い、その結果を最高管理責任者に報告するとともに、当該結果を通報者及び被通報者に通知し、最高管理責任者は、通報者が所属する機関並びに当該資金配分機関及び文部科学省に通知するものとする。

(調査資料の提出)

第25条 最高管理責任者は、本調査が継続中であっても、資金配分機関から当該事案に係る資料の提出若しくは閲覧又は現地調査を求められた場合は、本調査に支障がある等正当な理由があるときを除き、これを拒むことができない。

(調査結果の公表)

第26条 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為が行われたとの認定があった場合は、速やかに調査結果を公表する。この場合において、公表する内容は、研究活動上の不正行為に関与した者の所属、職及び氏名、研究活動上の不正行為の内容、本学が公表時までに行った措置の内容、調査委員会委員の所属、職及び氏名並びに調査の方法手順等が含まれるものとする。ただし、通報がなされる前に取り下げられた論文等において研究活動上の不正行為があったと認定されたときは、当該研究活動上の不正行為に係る者の所属、職及び氏名を公表しないことができる。

2 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為が行われなかったとの認定があった場合は、原則として調査結果を公表しない。ただし、公表までに調査事案が外部に漏洩していた場合又は論文等に故意によるものでない誤りがあった場合は、調査結果を公表する。この場合において、公表する内容は、研究活動上の不正行為は行われなかったこと(論文等に故意によるものでない誤りがあった場合は、そのことを含む。)、被通報者の所属、職及び氏名、調査委員会委員の所属、職及び氏名並びに調査の方法及び手順等が含まれるものとする。

3 最高管理責任者は、悪意に基づく通報の認定がされたときは、通報者の所属、職及び氏名並びに悪意に基づく通報と認定した理由を公表する。

4 最高管理責任者は、通報等の受付から210日以内に、調査結果、不正発生要因、不正に関与した者が関わる他の競争的資金等における管理・監査体制の状況、再発防止計画等を含む最終報告書を資金配分機関に提出する。期限までに調査が完了しない場合であっても、調査の中間報告を配分機関に提出する。

(本調査中における一時的措置)

第27条 最高管理責任者は、本調査を行うことを決定したときから調査委員会の調査結果の報告を受けるまでの間、被通報者に対して通報された研究費の支出停止等必要な措置を講ずることができる。

2 最高管理責任者は、資金配分機関から、被通報者の当該研究費の支出停止命令を命ぜられた場合は、必要な措置を講ずる。

第5章 認定後の措置

(研究費の使用中止)

第28条 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為が行われたとの認定がされた場合は、研究活動上の不正行為への関与が認定された者及び関与したとまでは認定されないものの、研究活動上の不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された著者(以下「被認定者」という。)に対して直ちに当該研究費の使用中止を命ずる。

(論文等の取り下げ勧告)

第29条 最高管理責任者は、被認定者に対して研究活動上の不正行為と認定された論文等の取り下げを勧告するものとする。

2 被認定者は、前項の勧告を受けた日から起算して14日以内に勧告に応ずるか否かの意思表示を最高管理責任者に行わなければならない。

3 最高管理責任者は、被認定者が第1項の勧告に応じない場合は、その事実を公表する。

(措置の解除等)

第30条 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為が行われなかったと認定された場合は、本調査に際してとった研究費の支出停止等の措置を解除するとともに、証拠保全の措置については、不服申立てがないまま申立期間が経過した後又は不服申立ての審査結果が確定した後、速やかに解除する。

2 最高管理責任者は、研究活動上の不正行為が行われなかったと認定された場合は、当該事案において研究活動上の不正行為が行われなかった旨を調査関係者に対して周知する。この場合において、当該事案が調査関係者以外に漏洩しているときは、調査関係者以外にも周知する。

3 前2項に規定するもののほか、最高管理責任者は、研究活動上の不正行為を行わなかったと認定された者の名誉を回復する措置及び不利益が生じないための措置を講ずるものとする。

4 最高管理責任者は、通報が悪意に基づくものと認定された場合で、通報者が本学以外の機関に所属する者であるときは、当該者の所属する機関に対して適切な処置を行うように求めることができる。

(是正措置等)

第31条 本調査の結果、研究活動上の不正行為が行われたものと認定された場合は、統括管理責任者は、速やかに是正及び再発防止のために必要な措置(以下「是正措置等」という。)を講じ、又は最高管理責任者に対して、当該部局等において是正措置等を講ずる必要がある旨の内申を行うものとする。

2 最高管理責任者は、前項の内申に基づき、部局責任者に対して、是正措置等を講ずる旨を命じるものとする。

3 部局責任者は、前項により命じられた是正措置等を講じたときは、当該是正措置等の内容及び是正結果等を最高管理責任者に報告するものとする。

4 最高管理責任者は、前項の報告があったときは、統括管理責任者に通知するものとする。

5 統括管理責任者は、第1項の是正措置等を講じたとき又は前項の通知があったときは、通報者及び当該資金配分機関に対し、是正措置等の結果を通知するものとする。

(不正行為をした者の懲戒)

第32条 理事長は、本調査の結果、研究活動上の不正行為があったものと認定された場合は、当該研究活動上の不正行為に関与した者に対して公立大学法人岩手県立大学職員就業規則(平成17年規則第2号)公立大学法人岩手県立大学非常勤職員就業規則(平成17年規則第6号)公立大学法人岩手県立大学任期付職員就業規則(平成17年規則第5号)その他関係する規程(以下「就業規則等」という。)に従って、懲戒を行うことができる。

2 理事長は、前項により懲戒を行ったときは、最高管理責任者に通知し、最高管理責任者は、当該資金配分機関に対してその内容等を通知するものとする。

第6章 通報者及び被通報者の保護等

(秘密保持等)

第33条 最高管理責任者は、通報者及び被通報者の所属、職及び氏名並びに通報内容及び調査内容が、調査結果の公表まで通報者及び被通報者の意に反して調査関係者以外に漏洩しないよう、秘密の保持を徹底しなければならない。

2 最高管理責任者は、当該通報に係る事案が漏洩した場合は、通報者及び被通報者の了解を得た上で、調査中にかかわらず当該通報に係る事案について公に説明することができる。ただし、通報者又は被通報者の責に帰すべき事由により漏洩したときは、当該者の了解は不要とする。

3 統括管理責任者は、通報者及び被通報者に通知をするときは、通報者、被通報者及び当該調査に協力した者等の人権、プライバシー等を侵害することのないように配慮しなければならない。

(通報者の保護)

第34条 法人の役員及び職員は、通報をしたことを理由として、当該通報者に対し、解雇、労働者派遣契約の解除その他不利益な取扱いをしてはならない。

2 部局責任者は、通報をしたことを理由として、当該通報者の職場環境等が悪化することのないように、適切な措置を講じなければならない。

(不利益な取扱等をした者の懲戒)

第35条 理事長は、前条の規定に反し、通報者(職員等に限る。)に対して不利益な取扱いを行った者がいた場合は、就業規則等に従って、懲戒を行うことができる。

(悪意に基づく通報)

第36条 理事長は、研究活動上の不正行為に関与した者又は悪意に基づき通報した者に対して懲戒、刑事告発等の処置をとった場合は、その結果を公表する。

第7章 内部監査

(内部監査)

第37条 最高管理責任者は、本学における研究活動上の不正行為の防止並びに研究費の運営及び管理に関して、経理的な側面及び業務の有効性、効率性といった側面から監査(以下「内部監査」という。)を実施するものとする。

2 内部監査は、最高管理責任者が指名する職員等が実施するものとする。

3 内部監査の実施にあたっては、監事及び会計監査人との連携を図るものとする。

第8章 雑則

第38条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、別に定める。

この規程は、平成19年11月8日から施行する。

(平成20年4月1日規程第16号)

この規程は、平成20年4月1日から施行する。

(平成22年3月31日規程第6号)

この規程は、平成22年4月1日から施行する。

(平成26年3月31日規程第17号)

この規程は、平成26年4月1日から施行する。

(平成27年3月31日規程第9号)

この規程は、平成27年4月1日から施行する。

(平成28年3月31日規程第8号)

この規程は、平成28年4月1日から施行する。

(平成29年3月31日規程第2号)

この規程は、平成29年4月1日から施行する。

(令和4年3月11日規程第6号)

この規程は、令和4年3月11日から施行する。

(令和6年2月28日規程第6号)

この規程は、令和6年4月1日から施行する。

公立大学法人岩手県立大学における研究活動上の不正行為の防止等に関する規程

平成19年11月8日 規程第34号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第8章 地域連携・学術研究
沿革情報
平成19年11月8日 規程第34号
平成20年4月1日 規程第16号
平成22年3月31日 規程第6号
平成26年3月31日 規程第17号
平成27年3月31日 規程第9号
平成28年3月31日 規程第8号
平成29年3月31日 規程第2号
令和4年3月11日 規程第6号
令和6年2月28日 規程第6号