平成29年度 地域協働研究(ステージⅠ)

岩手県における被疑・被告段階の高齢者・障害者に対する「入口支援」の地域協働システムのあり方に関する調査研究

研究番号 研究代表者 所属 氏名

H29Ⅰ05

社会福祉学部 教授 田中尚
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
一般社団法人かんな社会事業事務所 (一社)かんな社会事業事務所 代表理事 髙橋岳志
研究区分一般課題 研究分野地域マネジメント 研究課題の内容安心安全な地域
研究フィールド 花巻市、北上市、遠野市、西和賀町 研究協力者 岩手県社会福祉士会、あんざわ法律事務所、佐藤朋紀法律事務所

① 解決を目指す課題(何を解決するのか)
罪に問われた高齢者・障害者が「被疑者・被告人」段階、いわば「入口」(取調べ、司法手続き)の段階において福祉の支援を必要としている場合が増えていると言われるが、その支援提供体制は十分ではない。認知レベルや障害特性等から「罰をもって罪を償う」ことが必ずしも更生効果を高めることにつながらず、結果として累犯となる例が指摘されている。こうした状況を踏まえ、本研究では、福祉的支援を要する被疑・被告段階の高齢者・障害者に対する「適切な支援」について考察し、地域資源を活用した「社会内処遇」の仕組みを提案することで、高齢者・障害者の権利を擁護し、併せて社会防衛・社会秩序維持を図ることを目指す。(290字)
② 実施方法・取組みの概要
本研究は、実務者である提案者及び研究関与者が過去に関わった事例に加えて、岩手県社会福祉士会会員等からのサンプル提供を受け、岩手県内の入口支援の実践データを収集し、これらに質的研究手法による分析を施すことで、研究課題の構造を明らかにする。併せて、本研究の対象地域における社会資源をマッピング技法により図解化し、明らかになった課題と対応させることで「適切な支援」の実施を可能とする地域システムのあり方に関する考察を深める。更に、(仮称)「岩手中部TSネット準備会」においてその構成員との意見交流の機会を設け、本調査研究の過程において将来的な地域システムの運用体制の組織化に向けて働きかけていく。

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