令和7年度 地域協働研究(ステージⅠ本格型)

西和賀産わらび粉の品質と菓子加工特徴の評価

研究番号 研究代表者 所属 氏名

R07-Ⅰ-04

盛岡短期大学部 教授 長坂慶子
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
やまに農産株式会社 盛岡短期大学部
盛岡短期大学部
やまに農産株式会社
助教

代表取締役
岩本佳恵
学生
髙橋秀
研究区分一般課題 研究分野地域社会
SDGs
  • 12:つくる責任 つかう責任
  • 15:陸の豊かさも守ろう
研究フィールド 西和賀町 研究協力者 岩手県工業技術センター食品技術部・主任専門研究員・晴山聖一

① 解決を目指す課題(何を解決するのか)
 「和食」が無形文化遺産に登録されてから、各地で地域に根差した多様な食材に注目が集まり、見落とされていた地域資源を再評価する動きがある。岩手県内陸の中山間地域は、過疎化や住民の高齢化が進んでおり消滅に瀕している資源が少なくない。わらび粉もその一つで、関西圏ではその稀少価値が評価され良いイメージが持たれているが、岩手県の喫食経験者にとっては戦中戦後や飢饉時の救荒食というイメージしかなく、後世に伝える機会は殆どない。本研究では、わらび粉という地域資源の特長を明らかにし、長期的な資源確保と安定的な生産技術を確立するとともに、若い世代にも受け入れられる用途開発の端緒を提示したいと考える。

② 実施方法・取組みの概要
 昨年度はわらび餅及びわらび粉の起源等を国内での歴史や文化的背景を調査し、それによってわらび粉及びわらび餅を生産する食文化的価値の再評価を試みた。その中で西和賀産のわらび粉を使用し、わらび餅を製造している菓子職人からは、理想とするわらび粉の品質について、粘りの強さだけでなく、様々な品質に関する意見が寄せられた。これらの品質は菓子職人のそれぞれの経験に基づく感覚と表現に依存しており、また、重視する品質も職人によって異なるため、その品質差異を客観的に把握することができていないことが判明した。よって菓子職人がわらび粉に感じる品質特徴を追求し、理化学的な手法による言語化と数値化でその差異を明らかにしていく。