平成24年度 地域提案型前期

歴史に学ぶ「女性と復興」 ~昭和三陸大津波と家族、共同体~

研究番号 研究代表者 所属 氏名

RC-13

宮古短期大学部 教授 植田眞弘
共同研究者(提案団体名) 他の構成メンバー 所属 氏名
岩手女性史を紡ぐ会 岩手女性史を紡ぐ会 代表
会員





星 エツ子
植田 朱美
長谷川 美智子
柴田 温子
伊藤 エミ子
山口 照子
竹村 祥子
研究区分一般課題 研究分野
研究フィールド 岩手県沿岸市町村、遠野市、住田町、盛岡市 研究協力者 柳原 恵(お茶の水女子大学)、 椚座 久子(フェミニストカウンセリング富山)

2005年からスタートした事業は、岩手女性史の基礎資料として「岩手日報」紙掲載女性関連記事による年表作成作業(1925~1934)と各種統計資料等の収集作業です。1925(昭和元)年からスタートし、その後約10年の過程で、世界恐慌の波とともに、岩手県民が度重なる大凶作を経験し、初期のデモクラシーの息吹が届いたかにみえた県民生活も、瞬く間に給料遅滞・不払い・失業・就職難へと追い込まれた歴史を読み取れます。また1930年代に入ると同時に、満州事変(1931)満州国建国(1932)と「戦争への扉」は、すでに開かれていたことも紙面、史料に現れました。そんな状況下で、さらに「昭和三陸地震」と「大津波」(1933。3。3)に見舞われ、県民は甚大な被害を受けました。その後の復興は、戦争準備とのバランスによって影響を受けてもいるようです。この被害状況とその後の復興過程を、女性の視点で跡づけることが当会の共同研究における課題の中心です。とくに、時代状況のなかで家族と地域共同体はどんな様相だったか、震災と津波の被害は、女性・家族・地域共同体をどのように襲い、また復興過程でそれはどう変容していき、女性の生活に何をもたらしたかなどについて、第一次資料として「岩手日報」掲載記事と統計資料を読み解き、また体験者への聞き取りから考えます。前期・後期ともに岩手女性史年表・資料集の1部として冊子を作成する予定です。

研究成果報告書岩手県立大学機関リポジトリへ