平成26年度計画

地域の中核人材育成と活力創出に貢献する大学へ

 平成26年度は、第二期中期目標期間の4年目です。岩手県立大学では、平成23年度から平成28年度まで6年間の「中期目標」に基づいた「中期計画」および、「各年度計画」に沿って大学運営を行っています。

 中期目標は学生目線に立った「学生を主人公とした教育」、地域目線に立った「岩手の活力を創出する研究・地域貢献」という基本姿勢のもと、地域の中核人材育成と活力創出に貢献する大学を目指すものです。

 教育においては「学生の「志」を高める大学」、研究・地域貢献・国際交流においては「地域から頼られる大学」、大学業務運営においては「効率的・機動的な大学運営」の3つを基本目標とし、開学時の使命を再認識しつつ大学を取り巻くさまざまな環境変化を見据えながら、教育、研究、地域貢献についての取組みを行っていきます。

第二期中期目標

地域の中核人材育成と活力創出に貢献する大学

<基本姿勢>
学生を主人公とした教育
岩手の活力を創出する研究・地域貢献

第二期中期計画における「6つの重点計画」と「全学共通計画」

 第二期中期目標達成のための中期計画は、緊急性、重要性、継続性が特に高い「6項目の重点計画」と、重点計画を展開するために全学をあげて取り組む「全学共通計画」から成っています。

6項目の重点計画と主な取組みのイメージ図 平成23年度からの6年間で中期目標を達成

平成26年度計画において重点的に取り組む事項

① 目的意識や学習意欲の高い入学志願者の確保

  • 県高等学校長協会との共同等による効果的な高大連携事業の推進
  • 大学院入学料減免制度の創設と大学院定員充足の取り組みの推進
  • 被災学生の経済的支援を継続し、学ぶ意欲のある生徒の本学への進学を支援

② 体系的で一貫性のある教育プログラムの充実

  • 高等教育推進センターの組織充実と、基盤教育カリキュラムの改革の推進
  • フィールドワークを取り入れた能動的学習(アクティブ・ラーニング)による、地域志向の教育・研究等の推進
  • 「国際交流戦略」(仮称)の策定、国際交流推進体制の充実、国際交流受入れ施設整備による海外の大学との学術・学生交流の推進
  • 新カリキュラムが学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)及び教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に沿った編成であるか評価・調整
  • 教員養成体制の改善

③ 就業力育成による就職率維持と県内就職の促進

  • 公務員試験対策の強化に向けた公務員講座の充実と、卒業生の県内定着の促進
  • 被災地支援を行う学生ボランティア活動への支援
  • IPU-Eマップ(就業力の自己評価)(※4)の効果的な運用とデータ集積の推進
  • 外部講師や企業見学会、インターンシップ等の活用によるキャリア形成科目の充実

④ 地域に評価される研究の推進と県民への公表

  • 研究成果の積極的かつ効果的な公表
  • 自治体等との連携や、学部横断的なプロジェクトによる震災復興研究の推進
  • 科研費の応募率及び採択率の向上

⑤ 産学公連携事業の強化とシンクタンク機能の発揮

  • 地域政策研究センターにおける学部横断的な震災復興加速化プロジェクト研究の推進
  • i-MOS(※1)における新技術開発に貢献できる技術者の育成とカーエレクトロニクス製品等の開発の推進
  • 「滝沢市IPUイノベーションパーク」構想の実現に向け、滝沢第2イノベーションセンターの入居企業との共同研究の推進

⑥ 教育・研究に意欲的な教職員の育成

  • サバティカル研修制度の導入による教員の教育・研究能力の向上
  • 人材育成ビジョン&プラン等に基づいた職員のキャリア形成支援や研修の充実
  • FD(ファカルティ・ディベロップメント)(※2)と、SD(スタッフ・ディベロップメント)(※3)の融合による効果的なプログラムの検討・実施

column3:地域創造プラン・地域創造学習プログラム

 “地域とともに歩む大学”を掲げる本学では、地元企業や住民と連携して様々な研究・教育活動を行ってきました。一方で、研究の一環や一部の授業で学生が地域に入ることはあっても、地域と向き合う全学的な教育プログラムは多くありませんでした。

 本学では今年度、岩手の“知の拠点”化を目指す『地域創造プラン』を策定。その中で、1・2年生を対象とする「地域創造学習プログラム」をスタートしました。これは、県内各地に学生が赴き、1泊2日のフィールドワークを通して実践的な地域づくりを学ぶもの。それぞれの地域の現状と課題を自分の目で確かめ、その課題の解決方向を考察することにより、学生が主体的に学び、行動するきっかけを作ることを目的としています。

 また、コース内容を学生自らが企画・実施するのも特徴であり、地域活動の経験のある2〜4年生がコーディネーターとなって企画を練り、教員や教育復興支援員(卒業生)らがサポート。今年度は、宮古市、大槌町、釜石市、西和賀町、盛岡市・滝沢市の5コースでフィールドワークを実施し、多くの学生が参加しました。

  • ※1…いわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンター
  • ※2…授業内容や方法改善に向けた取組み。Faculty Development
  • ※3…大学運営に関わる事務職員等の資質向上に向けた取組み。Staff Development
  • ※4…学生が自らの経験を根拠に、自分自身の就業力を評価、可視化する一連の取組み