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岩手県立大学長の鈴木厚人博士が基礎物理学ブレークスルー賞受賞

 岩手県立大学(岩手県滝沢市)の学長である鈴木厚人博士と、鈴木博士が東北大学で立ち上げたカムランド(1000トン液体シンチレータ・ニュートリノ検出器)実験グループが、ニュートリノ振動の発見と研究についての功績を認められ、「基礎物理学ブレークスルー賞(Breakthrough Prize in Fundamental Physics)」を受賞しました。

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(2016年基礎物理学ブレークスルー受賞が決定した鈴木厚人学長)

 この「基礎物理学ブレークスルー賞」は、アメリカに本拠地を置くブレークスルー賞財団が授与する賞で、2012年にロシアのユーリ・ミルナー氏の提唱により創設され、基礎物理学で多大な業績を上げた研究者に毎年贈られている賞です。今回は、カムランド実験、東京大学宇宙線研究所を中心とするスーパーカミオカンデ、カナダのサドベリー・ニュートリノ天文台(Sudbury Neutrino Observatory:SNO)、中国の大亜湾(Daya Bay)実験、及びKEK(高エネルギー加速器研究機構)を中心とする長基線ニュートリノ振動実験K2K・T2K実験グループの受賞が決定したものです。
 今回の受賞理由は「ニュートリノ振動の発見によって素粒子物理学の標準理論を超える新たなフロンティアを明らかにし更なる可能性を拓いた実績」で、2015年ノーベル物理学賞受賞の梶田教授ら他5名との共同受賞となります。

 鈴木学長は、素粒子の1つであるニュートリノの一種で、原子炉や地球内部において生成され飛来する、原子炉反ニュートリノや地球反ニュートリノを、カムランドにより観測しました。その結果、反ニュートリノ振動現象の検出に成功し、反ニュートリノに質量があることを発見、反ニュートリノ振動現象の振る舞いから、30年来の謎であった「太陽ニュートリノ消失現象」を解明しました。さらに、地球反ニュートリノの初検出に成功し、地球内部エネルギーや、内部構造をニュートリノで調べるニュートリノ地球科学の新しい研究分野を創始しました。

 本賞の発表及び授賞式は、米国カリフォルニア州サン・フランシスコにあるNASAのエイムズ研究センターで現地時間の11月8日(日本時間11月9日)に行われました。2012年の基礎物理学賞の設立以来、今回が日本人では初めての受賞となります。 

鈴木厚人学長経歴(PDF)

※ブレークスルー賞について
 同賞には、基礎物理学賞のほかに、生命科学及び数学の分野があり、2013年には、京都大学の山中伸弥教授(iPS細胞)が生命科学ブレークスルー賞を受賞している。 

 

関連リンク

■ブレークスルー賞財団ホームページ https://breakthroughprize.org/ 
 ・2016年ブレークスルー賞のプレスリリース https://breakthroughprize.org/News/29
 ・受賞者の概要
 https://breakthroughprize.org/Laureates/1
  (鈴木学長のコメントもこちらでご覧いただけます)

■KEK(大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構)  https://www.kek.jp/ja/ 

■東京大学宇宙線研究所 http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/

■東北大学ニュートリノ科学研究センター http://www.awa.tohoku.ac.jp/rcns/
 ・カムランドに関する情報 
http://www.awa.tohoku.ac.jp/kamland/

 

本件に関するお問い合わせ

■電話:019-694-2005 岩手県立大学 企画室 企画広報グループ(広報)

■FAX:019-694-2001

■E-mail: kikaku-pr●ml.iwate-pu.ac.jp (●⇒@)

※専門分野に関する問い合わせはKEK(大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構)にお願いします。https://www.kek.jp/ja/

 

 

岩手県立大学企画室 (2015年11月 9日 14:00)