岩手県立大学のビジョン 「素心知困」に回帰せよ
大学改革推進本部長 佐々木民夫 佐々木次のステップへ羽ばたくため、どんなポイントが挙げられますか。
細 江学生一人一人の学習意欲に、どのように応えながら自己実現をサポートしていくか。こうした観点で教育・学生支援の充実を図りたいですね。学びの場としての魅力づくりを通し、大学の存在感を高めていきたい。
佐々木より大きな効果を引き出すには、タイムリーでインパクトのあるアイデアを実行する必要を感じます。組織運営にも革新性が求められます。
伊 藤さまざまな研究成果の還元と地域貢献に関しては、これまで以上に地域や産業界との接点を増やして「身近で社会に役立つ大学」をアピールする決意です。だからこそ、どんな大学像を描くのか、という目的意識を全学で共有したいものです。さらなるフロンティア精神に火を付けましょう。
佐々木今こそ、私たちの大学の原点へと回帰すべきなのかもしれません。次代に向かうエネルギーは、そう強く自覚することで生まれると思います。開学から唱えられてきた「素心知困」は「己を知り、ほんとうに望むものを追求することが真の自分に近づく道筋である」と説く普遍的な教えです。すべての道は、ここから発している…と私は確信を深めています。
伊 藤開学した頃、何もかも初めてという状況での熱気や行動がリアルに思い起こされます。私なりに感じたままを言うなら、誰もが必死でしたね。素心知困の精神を活かし、この先も、いろいろな風を起こせるはずです。
細 江まさに私たちの未来を照らす、原理原則のような深い意味を感じます。それが多面的な実学・実践の展開を通して具現化され、ここに学ぶ者の人間力の涵養につながっていく。こうした素地を固められた点に、この10年の成果が集約されると思います。