岩手県立大学は、開学して13年目、今年度は公立大学法人化されて第1期6ヶ年の最終年度にあたります。本年度は、21年度に掲げた重点5項目、(1)教育力の一層の向上、(2)地域の課題に向き合った研究活動、(3)県内高等学校との強固な関係、(4)不況期にあっても高い就職率、(5)教育研究活動推進力の抜本的な強化、についてしっかりと着地させるとともに、いよいよ平成23年度から始まる第2期6ヶ年の計画を立てる重要な年でもあります。
このような時に当たり、私は、県民の皆さんのご期待に応える意味でも、学生を主人公とする「学生目線」と地域に対してどの様に貢献できるかという「地域目線」とを、本学を運営する上での基本姿勢にしたいと考えております。最終的には、「地域の中核人材育成」と「地域の活力創出」に貢献する大学であることを目標にしたいと思っております。
なかでも、教養教育、基盤教育、地域を知る教育に力点を置き、これらの効果が上がる方策を検討するとともに、学生たちの考え方、志を出来るだけ引き出し、高めていくような大学にしたいと思います。また国際交流については、本学で学びたいという外国人学生が多くなるように本学の実力と魅力を高めると同時に、本学の学生に対しては、積極的に外国で学びたい、視野を広めたいと思う意欲ある学生を育てるところから、真の国際交流に繋げることに努めたいと考えております。
一方、研究については、その成果を地域に還元することで地域に貢献する大学になることを目指して、本年度は、教員の研究意欲を高める環境づくりに力を注ぎたいと思っています。なかでも、23年度から地域産学連携の拠点となる「ものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンター(仮称)」と県民のシンクタンクを目指す「地域政策研究センター(仮称)」とを設置することを目指して、準備を進めていくことになっております。
また高大連携については、県内高等学校との絆を益々強固なもののして、本学への理解を深めて頂くとともに、高校生の学問への関心を高めることに努めていきたいと思っております。
学長就任2年目、県民の皆様から、これまで以上に高く評価される大学となるよう教職員とともに努力してまいりますので、今後ともご支援ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
平成22年4月
岩手県立大学長 中村 慶久