ラボ☆アクション

大学の教育環境は世界レベル。
もっと自分の可能性を信じ、学ぶことを楽しんでほしい。

小井田先生が研究活動で使っている書籍の一部

 盛岡第一高校時代は長髪のバンカラ姿。応援委員副団長や無線部部長を務めるほか、いろいろな活動に関わっていたという小井田伸雄先生。一番好きな科目は数学で、浪人を経て東京大学に入学。理学部で数学を学んだ。
 しかし、周りは寝ても覚めても数学のことを考えている人ばかり。「自分はそこまで数学を好きではない」という挫折感から進路を悩んでいたとき、「ゲーム理論」に興味を持った。
 「ゲーム理論とは、経済や社会をかけ引きのある『ゲーム』だと捉えることで考察する経済理論。『状況に応じてベストな選択をする』という考え方がおもしろいと思いました」と小井田先生。「経済学部にゲーム理論の研究者がいる」と知り、大学院の経済研究科で学ぼうと決意。数学と並行して経済学の授業も履修し、進学をかなえて経済学研究の道を歩み出した。
 「数学をはじめ心理学や社会学、政治学などさまざまな分野とも接点を持ちながら、人間や社会への洞察を深めるところが経済学のおもしろさ」と話す小井田先生。2003年に岩手県立大学総合政策学部に助手として赴任、現在は准教授として授業を受け持つ傍ら「意思決定理論」をテーマに研究に取り組んでいる。
 2006年には「研究者としてのスキルを高めたい」と、アメリカのプリンストン大学に1年間留学。経済学賞をはじめノーベル賞受賞者を多数輩出しているトップレベルの研究環境に感銘を受けるとともに「県立大学のすばらしさも実感した」という。「特にうちの少人数教育は世界レベルだと思いました。教員1人に対してゼミの学生が1学年5人程度という環境は、かなり恵まれている」と話す。
 「教育環境だけでなく、学生たちもまじめで素直。ポテンシャルも非常に高いと思っています。けれどその伸びしろを生かしきれていない、過小評価しがちな学生が多いかな」と小井田先生。「まじめ過ぎて失敗を恐れるところがあるので、もっと自分の可能性を信じてもいいのに、と思っています。でもそのためには『準備』も必要。しっかりと学び、自信を持っていろいろなことに挑戦してほしい」と学生たちにエールを送る。


総合政策学部
小井田 伸雄 准教授
盛岡市出身。東京大学理学部数学科を卒業後同大学大学院経済学研究科に進学。2003年単位取得退学し(のちに論文を提出し博士号取得)岩手県立大学総合政策学部に助手として赴任。講師を経て2008年に准教授となり、現在に至る。読書が趣味で、小説からエッセイ、ノンフィクションまで好きなジャンルは幅広い。またサッカー観戦歴も長く、20年以上スタジアムに足を運んでいる。現在ひいきにしているのは、もちろん地元のJ3チーム「グルージャ盛岡」。

『ゲーム理論』の授業では、
事例を盛り込みながら分かりやすく教えている。