平成27年度財務状況

自己収入の増加と効率的な大学運営

 平成27年度は、前年度に引き続き、競争的資金や受託研究費、共同研究費の獲得に努めたほか、積極的に国の補助金や受託事業を活用し、地域における産学共同研究事業や学生の就職支援事業、次世代の人材育成業務などに取り組みました。このほか、事業内容の見直しや重点化に努め、事務事業の効率化を図りながらコスト削減に取り組む一方で、今年度も目的積立金を財源とした「教育力強化枠」を設け、教育の質の向上に資する事業に対し計画的に予算を配分し、教育・研究活動の充実・強化に努めました。

岩手県立大学の財務状況(平成28年3月31日現在)

※1 資産見返負債とは、法人が固定資産を継承・取得した場合に、当該資産の見返りとして同額を負債に計上し、減価償却処理により費用が発生する都度、取崩して収益化する、減価償却による損益計算への影響を与えないための公立大学法人特有の処理です

学生および教員一人あたりにかかる経費(平成25年度)

 平成27年度の大学教育および研究等における経費は、岩手県立大学全体で57億6,766万円でした。教育経費と教育研究支援経費、教員人件費の一部を含めた、学生一人あたりの教育経費は約89万円です。また、教員一人あたりの研究経費は約234万円です。

● 大学教育および研究等にかかる経費


● 学生一人あたりの教育経費


● 教員一人あたりの研究経費

平成27年度の収支状況〈収入〉

 岩手県立大学における収入の62.9%は、岩手県からの運営費交付金です。授業料、入学金および検定料、産学連携等研究収益等から資産見返負債戻入を除いた、自主財源の割合は35.0%です。

※資産見返負債戻入とは、資産見返負債から資産減価償却額の見合いを収益化したものです。

平成27年度の収支状況〈支出〉

支出のうち、教育および研究等に係る経費は28.1%です。


平成27年度収支(A-B) 303,031千円

(注)端数処理を行っているため、合計値が合わない場合があります

過去5年間の収支

 収入については、約6割が県から交付される運営費交付金であり、算定ルール(毎年0.7%ずつ減額)により今後も削減の傾向にありますが、外部資金の獲得、補助金や産学連携研究収益の活用などによって収入確保に努めました。
 支出については、定年退職者の増による人件費(退職手当)の増加や、大規模修繕の実施に伴い一般管理費が増えたことなどにより、平成27年度は支出全体で前年度比約8千228万円の増となっています。

収入

支出

(注)端数処理を行っているため、合計値が合わない場合があります

column4:岩手県立大学の男女共同参画の取り組み

キャンパス全景

 本学は、平成30年に開学20周年となる節目を迎えますが、大学の運営を安定化させ、教育研究活動などをさらに充実させていくための財源として、平成28年4月に「岩手県立大学未来創造基金」を設置しました。

 本基金は趣旨に賛同していただける個人、法人、団体等の皆様からの寄付金(1口1,000円)及びその運用による果実をもって構成するものであり、次の事業に充てることとしています。

  • 教育及び研究活動の充実を図るために必要な事業
  • 学生及び外国人留学生に対する支援事業
  • 産学官連携及び地域・社会貢献に係る活動を推進するために必要な事業
  • 被災地の復興を支援するために必要な事業
  • 設備整備及び大学運営等の充実を図るために必要な事業

 今後も、地域に根ざす大学として、本基金を活用しながらいわての未来づくりに貢献する人材育成と地域に貢献する取り組みをさらに広げていきたいと考えておりますので、皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。